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開聞うろうろ 4/4 ──青葉となづな
2015年9月(2015年10月公開)
この日は指宿で泊まることにした。
指宿駅前の「青葉」という店にいってみた。よく知られた郷土料理の店ということで、混むらしい。さいわいちょうど待機客の姿がなくなったところだった。「ひとりなのですが」とダメモトで訊いてみると、すぐに入れてくれた。
お刺身盛り合わせときびなご塩焼きを頼んだ。お刺身は、鯛、蛸、きびなご。
きびなごは生に塩をしたのが出てくるので、それをコンロで炙る。
焼酎前田利右衛門が水割りに向いているというので頼むと、グラスに一杯の焼酎、氷と水が出てきた。薄めにつくると5杯は飲めたか。芋の匂いはするが、おいしかった。とくにきびなごとよくあった。
あとから来た客が満席ですと断られていた。こちらは四人席をひとりで占領しているので、申しわけない。早めに店を出た。お店のひとは「うちはカウンターがないから気にしないで」と親切にいってくれたのだけど。
二軒目に入ったのは、歩いていて見つけた居酒屋「なづな」。なんとなく気に入ったので入ってみることにした。こちらはぐっと庶民派だ。地元民でにぎわっており、テレビでボクシング中継を流していた。カウンターもあるので気が楽だ。
かつおたたきを頼んでみた。玉ねぎをのっけるのが鹿児島流らしい。
鶏も鹿児島の名産。新鮮なので刺身やたたきでもいけるのだそうだ。写真は鶏のたたきユッケふうというもの。黄身が載っていてかき混ぜて食べる。
この店は家族でやっているのだろうか、お店のひとは、ちょうど父、母、娘というような年齢構成のようにも見えた。お嬢さんは笑顔を絶やさず落ち着いて対応をしていた。若いのに立派なものである。
店を出た。街中というのに明かりは少ない。一面の星空だ。その下を歩いて帰った。
おしまい