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散歩旅のもくじ


東北キャンプで散歩旅
陸中山田から下北半島へ

2002/08
 
  1──雨の陸中海岸を行く
2──博物館でマッコウクジラを見る
3──ステッピーで車中泊
4──オランダ島へわたる
5──雨の下北、恐山めぐり
6──夫婦かっぱの湯、尻屋崎、大間崎
7──帰り道


ルートマップ

     
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雨の陸中海岸を行く
 



 ♪バカンスはいつも雨、おもうようにはならない♪──と聞いてすぐに杉真理の曲とわかるあなたはわたしと同世代だろう。今回の夏の東北キャンプで散歩旅は、まさにこの歌を地でいくほど雨雲随伴の旅となった。



 「ようこそ釜石へ」という表示が目に入ってきたとたん、大粒の雨が落ちてきた。どこへ寄り道することもできず、ひたすらR45を北上して、山田町についたのは1300だった。道の駅山田でラーメンやうどんの簡単な昼食を済ませると、さしあたってすることはなくなってしまった。仕方がないので、時間より早めにキャンプ場に向かうことにした。



 道の駅から船越半島方面へ曲がり、クルマで3分、海岸から少し登ったところに船越家族旅行村 (0193-84-3755) はあった。運営は山田町が行っているらしい。キャンプ場のほか、フィールドアスレチックや子ども用プール、グラウンドなどの施設があるようだ。

 キャンプサイトのメインは、灌木で10メートル四方に区切られた区画サイトで、事前に電話で聞くと、お盆のこの時期、すでに満員であった。われわれは隣の広場のようなところにつれていかれた。夏の繁忙期だけ臨時にテントサイトにつかわれるらしい。広い草原の隅っこに何軒かテントが雨に濡れている。ロープで仮設的に区画されており、その一角をあてがわれた。

 隣の区画には先客がおり、大きなタープの下に夫婦と小さな男の子が坐っていた。実家のある秋田に行く途中、キャンプに立ち寄ったのだという。前日は晴天で、夜は星が見たのにねえ、と奥さんが苦笑していた。背後に山田湾を眺めることができた。



 眺望という点からいえば、区画サイトよりもこちらのほうが広々としていた。ただ水場やトイレが遠く、しかもサイトから歩いていく途中の道がぬかるんでいる。夜中に子どもをつれてトイレに行くのはさすがにつらい。そこで管理人のおじさんに、もし空きがでたら区画サイトに入れてもらえないかと頼んだ。
 おじさんは、約束はできないけれども、この天気ならばキャンセルがでるかもしれないねえ、でもわからないねえと、おもわせぶりでありながら、いまひとつ頼りなかったのだが、30分もすると再びやって来て、一区画キャンセルがでたからそこへ移れと教えてくれた。

 その区画は、ピカピカしたキノコのような形をしたサニタリー棟の真ん前にあった。雨の小降りな隙を見計らってタープを張り、テーブルと椅子をだした。テントは、雨のようすを見てから設営するかどうかを決めることにしよう。

     

 

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