ルアン・プラバンへ──第5日 (1)
ホテルをチェックアウトし、メコン川沿いの通りThanon Fa Ngumまででて、トゥクトゥクを拾う。3台めくらいで5000Kで空港まで行ってくれるのが見つかった。
空港は国際線用と国内線用の二つのターミナルをもっている。前者は新しくて大きく、後者は古くて小さい。後者へ行き、チェックインをすませる。ドイツからの団体客がいる。みんな中年あるいは中高年といっていいような年齢層である。巨体のおじさん、おばさんに混じって待合室へ行く。
0900発の予定だったが、搭乗開始になったのは0945。ところが、せっかく早くから並んでいたのに、搭乗券を見せても係員の女性は通してくれない。ひとりの白人青年が教えてくれた。
「たぶん空港税の券がないからだとおもう」
急いで待合室入口へ戻る。さっきは誰もいなかったカウンターに係員がいるではないか。ここへ入るとき団体一行に混じっていた。"Airport Tax 1000K"
という札に気づいてはいたが、カウンターは空だったのと、まわりの誰も空港税を支払わなかったので、そのまま通過したのだ。かれらは団体だったから、事前に添乗員がまとめて支払っていたのだろう。
ようやく手続きを完了して搭乗。形式は不明だが、双発のプロペラ機だ。かなり古い。シートはほころび、 "Exit 出口" とサインがある。もともと中国でつかわれていたものではないか。
離陸後、70人ほどの定員(ほぼ満席)の乗客にたいし、(1) おしぼり、(2) アメ、(3) ジュースが順にくばられる。(2) はホールズで、《みの》は少しなめてから、だした。(3)
はコーラとオレンジジュース(ミリンダか?)。
眼下の風景は、だんだん険しい山脈に変わる。「意外に山深いね」といったら、《みの》は「ヤマブカイって、なに?」。
約40分でルアン・プラバン着。乗客はバスにのりかえ、いったん空港の外へでて一般道を走り、ささやかなターミナルへ運ばれる。バスにのると、《みの》と《あ》は西洋人旅行者に席をゆずってもらった。
ターミナル前ではお決まりのタクシーの客引きがいた。われわれは最後のほうだったので、とにかく簡単に話がついた。トゥクトゥクではなく、乗用車の「タクシー」だ。
Phousi Hotelは前庭のついた感じのよい宿だ。ジャンパーを着た子どものような係員が部屋へ案内してくれた。2階へあがってすぐ、中庭に面している。湯沸器が小さいのだけが気になり、ほかもあたってみようかとおもったが、面倒なのでここに決める。
飛行機で一緒だった日本人のおじさんとレセプションで会う。かれはわたしの顔を見るなり、「日本人だったんですか。じゃあタクシーをシェアすればよかったな」といった。こっちがひとり旅ならともかく、小さな子どもを二人もつれているのだ。あの小さなタクシーにそんなに乗れるものか。タクシーをシェアしたければ、日本人に限らず、ほかにそうしたそうなひとに声をかければいい。
王宮博物館へ行くが、門が閉まっていた。ちょうどお昼だったので、その先にあるLuang
Prabang Bakeryで、バゲット・サンドイッチで昼食。
日本人の若い旅行者に声をかけられる。このひとは、よいレートで両替をすることしか頭にないようだった。しかし、ビエンチャンでもルアン・プラバンでも、両替レートはどこでもほぼ同じで、『メコンの国』に書かれているのとはどうも状況が異なっているようだ。しかしかれには、そうした意見を受け容れる気はまるでないようだった。「ビエンチャンにくらべると、こっちはスレてますわ」と関西訛でいった。
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