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散歩旅のもくじ
子づれ旅の荷物
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2 ──荷物を小さくするには

 みずからの荷づくりの下手さ加減に半ば呆れていたわれわれに、転機が訪れた。それは子どもが二人になって初めての海外旅だった(行き先は台湾)。子どもが一人のときは、まだなんとかなる。だが、これが倍増しているわけだから、手がまわらないのは目に見えている。荷物を減らすのは、死活問題である。貧すれば鈍する、じゃなかった、火事場の莫迦力というかなんというか、こういうばあいの適切な表現は知らないけれども、とにかくわれわれは、徹底的な荷物の軽量化をはかろうと決意した。

 どのようにして荷物を小さくすればいいのか。
 一般論としていえば、多くの本に書いてあるとおり、必要なものだけをもっていくようにすればいいはずだ。ひげを剃らなければシェイバーはいらないし、髪も石鹸で洗うことにすればシャンプーも不要だ。日本から10日や2週間で行ける範囲なら、旅程のどこかで都市をとおる。一定の規模の町なら、日用必需品の類は、だいたい手に入れられるはずだから、どうしても不自由ならそのとき手に入れればいい。
 わたしは、一人で旅するときは、たいていデイパックひとつである。そのくらいにまとめるのは、けっして、むずかしいことではない。必要なのは、思い切りである。

 ただ、子づれとなると、ことはそう簡単ではない。子どもがいれば漏れなく発生する特有の諸問題があるのだ。子ども用品、である。
 子どもはなにかと手間がかかる。手間にともなって、ものがいる。離乳食がいる。食事をすれば服を汚す。ときには用便を漏らす。すぐに体調をくずすから、薬も欠かせない。おむつも必要だし、お尻拭きもいる。お手拭きとか、シーツの下に敷く防水シーツ、エプロンももっていかねばならない。暇つぶし用のおもちゃや本、それに運搬用のベビーカーやらだっこ紐やらもいる。うっかりしていると、それだけですぐに、ポール・ボウルズなみとまではいかなくても、おとな一人ぶんくらいの荷物にふくれあがってしまう。パッケージツアーに参加するとか、ポーターを帯同できる経済力の保持者ならともかく、そうでなければ、これら子ども用品一山は、ごっそり親がもたねばならない。
 これをどう減らすか。身軽な子づれ旅ができるかどうかは、ここで決まるのだ(と、力むまでもない。当然の話である)。




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