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散歩旅のもくじ


東北キャンプで散歩旅
陸中山田から下北半島へ

2002/08
 
  1──雨の陸中海岸を行く
2──博物館でマッコウクジラを見る
3──ステッピーで車中泊
4──オランダ島へわたる
5──雨の下北、恐山めぐり
6──夫婦かっぱの湯、尻屋崎、大間崎
7──帰り道


ルートマップ

     
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博物館でマッコウクジラを見る
 



 雨のなか、クルマで3分のところにある山田町立鯨と海の博物館にでかけていった。館内は、雨で行き場をなくした親子づれでけっこう賑わっていた。



 入館してすぐ、大きなマッコウクジラの剥製が宙に浮いていた。山田町はもともとマッコウクジラの漁がさかんなところだったらしい。



 実物の骨格標本も吊してある。電車一両ぶんくらいあるだろうか。とにかくでっかい。子どもたちも「おっきいねえ」などといっている。だが、その驚きも長続きはしない。



 館内案内を兼ねた映像番組を見る。3D映像だから、各人が専用のメガネを着用しなければならない。子どももかける。「サンダーバード」の登場人物みたいな格好になる。



 博物館の広大な駐車場の向かい、浦の浜海水浴場前に温泉があった。旅館兼用の小さな温泉で、湯はしょっぱい。温度が低いようでボイラー加熱しているようだ。子どもたちが浴槽の湯に入ろうとしたが、熱くてとても無理だった。湯上がりに番台(?)のおじいさんに、明日も開いていますか、と訊ねた。おじいさんは力強く言った。──むろん明日も開いている。お盆のあいだは、かき入れどきだから、休みなしだ。

     
   
     
 

 山田町内にスーパーマーケットを見つけて、お総菜やお刺身などを買い込んできた。きょうは調理はせず、これで夕食ということで勘弁してもらう。かさばるからとランタンを買わなかったのは失敗だった。懐中電灯とヘッドランプだけでは日没後は暗くてテーブルの上すらよく見えない。

 雨粒がしきりとタープをたたく音がする。日が暮れてから急速に寒くなってきた。からだも濡れている。《なな》が「キャンプはたのしいね」といった。

 翌朝も雨だった。
 ガイドブックと首っ引きで、近所に日帰り温泉を見つけた。近所といっても50kmばかり離れている。新里村の「湯ったり館」という。ここは閉伊川ぞいにつくられた「リバーパークにいさと」のなかにあり、キャンプ場や物産センターなども併設されている。山田町からはR45を北へ向かい、宮古市内で少し渋滞したのち、西へ折れてR106を20kmほど閉伊川ぞいに走った。1130ごろに到着した。



 大広間のようになったところが食堂だった。とりあえずそこで昼食をとる。自宅を出発して以来、昼も夜も、狭いクルマの車内に押し込めらつづけていた《くんくん》は、ここぞとばかりに畳のうえを歩きまわった。

 わたしはロビーに据え付けの岩手日報の気象情報欄を見る。東北北部はどこも雨だ。そんな心配ばかりしていたせいだろう、肝心のお風呂がどんなふうだったか、まったく記憶にない。

 帰路、重茂半島をまわる。鬱蒼とした森のなかを小一時間ほどかけて走る。この日もけっきょく山田町のスーパーで調達したお総菜とお刺身で夕食をすませる。雨は終日降り止まず、3晩つづけてステッピーで車中泊となった。

     

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