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散歩旅のもくじ


東北キャンプで散歩旅
陸中山田から下北半島へ

2002/08
 
  1──雨の陸中海岸を行く
2──博物館でマッコウクジラを見る
3──ステッピーで車中泊
4──オランダ島へわたる
5──雨の下北、恐山めぐり
6──夫婦かっぱの湯、尻屋崎、大間崎
7──帰り道


ルートマップ

     
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雨の下北、恐山めぐり
 



 陸中山田から200km、雨をついてステッピーを飛ばし、下北半島むつ市郊外の早掛沼公園に移動した。もともと津軽半島へ行くつもりだったのに下北にやってきたのは、北東北でもっとも降水確率の小さい地域と予報されていたためである。

 30ほどのテントサイトをもつここのキャンプ場は、早掛沼という沼に面していた。お盆の時期ながらサイトは5-6割しか埋まっておらず、静かで清潔だった。われわれはよい印象をもった。

 翌朝は、しかしまたしても、テントのフライシートをたたく雨音で目が覚ますことになった。簡単な朝食のあと、われわれは恐山へでかけていくことにした。

 下北半島には数回やってきたことがあった。だがいずれも北海道からの帰路で、通過しただけだった。恐山に行くのも初めてだった。鬱蒼とした森のなかの道を走ること30分ほど、視界がひらけると、そこが恐山だった。

 
 
 
 


 ゴツゴツとした岩山、硫黄臭、ごうごうと吹きつける雨まじりの風。そうした荒涼とした風景が、いかにも「恐山」的である。積み上げた岩の隙間にたてられた小さな風車が、ぐるぐるとまわっていた。



 観光バスが頻着する一方で、信心で訪れるひとも多いのだろう。一生懸命お祈りしているひとたちの姿も目にした。



 これは水子供養。《みの》が、これなに? と訊いた。説明してやると、神妙な顔をしてだまってうなづいていた。



 宇曽利山湖。岩場からこの湖岸へ来て独特の景観をながめると、なるほど極楽浄土のある種清らかなイメージにつながるような気もする。まわりをぐるりと外周山でかこまれたカルデラ湖で、恐山の本山から流れてくる硫黄まじりの川水に、そこだけ湖水が青緑色に変わっていた。湖面から吹きつける風に、誰しも無口になるのだった。

     

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