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散歩旅のもくじ


2001年3月17-19日
 
  1──雨の博多港
2──平山旅館
3──遺跡を見に行く
4──島の路線バス
5──港の見える公園

     
3 遺跡を見に行く
 



 翌朝、島の南東にある遺跡に行ってみることにした。

 「原の辻(はるのつじ)遺跡」と名づけられている。弥生時代のものだという。
 邪馬台国の九州説をとると、魏志倭人伝にでてくる「一支國」が壱岐にあたるといわれている。かつては、九州と朝鮮半島南部はひとつの文化圏をなしていたのだろう。だとすれば、壱岐は地理的に見て、明らかに交通の要衝であったはずだ。

 原の辻遺跡までは平山旅館の常連の方にクルマで送ってもらった。このひとは、福岡在住である。クルマを運転しながらいろんな話をしてくださった。
 ──以前に仕事で火傷を負い、その療養をかねてしばらく逗留したところ、壱岐のすばらしさに惹かれるようになった。ジェットフォイルだと福岡から一時間で来られるから、別府や湯布院あたりへ行くよりも近くて安い。魚もとびきりだ。6月にはウニをたらふく食わしてくれる。──

 遺跡の資料館で降ろしてもらう。常連さんは、資料館のひとに「10日ほど前に人骨がでたと新聞にあったけど、その場所はどこ?」などと聞いてくれ、さらに「しばらくここでお待ちしましょう。どうせ暇なんだから」といってくださった。



 資料館の前はレンゲ畑。竪穴式住居が一棟復元されている。



 資料館の近くの発掘現場を見に行く。畑の真ん中の少し小高くなった丘の上だ。《みの》も《なな》も大喜びでかけまわった。発掘現場は四角く切りとられ、遺構には白墨で白く印がつけられていた。ここが、少し前に人骨が出土した場所らしい。やわらかな風が吹いてきて、隣の菜の花畑をひとしきり揺すった。

     

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