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散歩旅のもくじ


自然と人工、そしてハレアカラ
マウイ──2000/09

 
1 ──ハレアカラ・ハイウェイ
2 ──山頂からの眺め
3 ──標高10000フィートのチャント
4──女神ペレと英雄マウイ
5──星々にいちばん近い場所
6 ──ハレアカラの両義性
7──自然と文化の「進化」の舞台

     

4女神ペレと英雄マウイ

 

 
     
     ペレ (Pele) の名は、ハワイを旅していれば一度ならず見聞きするに違いない。
 その物語はハワイの創世神話である。大地と空の結婚によってうまれたペレは火と火山の女神であり、創造神であると同時に破壊神でもある。彼女の噴火によって流れでる溶岩は、黒々とした山をつくり出すとともに、それまでのすべてを焼き尽くす。
 しかし女神ペレは、彼女の姉、海の女神ナマカオカハイ (Na Maka O Kahai) の嫉妬によって、最初に住んでいた北西の浅瀬を追われることになる。ペレは南東へ飛び、そこでまずニイハウ島のクレーターに住んだ。そして、カウアイ、オアフと順々に住処を変えていった。そのたびに、まえよりも深い火山を掘ったのだが、やはりそのたびに、ナマカオカハイに追われたのだった。
 ハレアカラをあとにした女神ペレは、ナマカオカハイから逃れてビッグ・アイランド(ハワイ島)へ飛び、そこでこれまででもっとも高い火山を築き、いまもそこに住んでいる。けれども海の女神ハマカオカハイはその足下へとしのび寄ってきている。寄せくる波はすこしずつ、つねに溶岩をくだいては砂に変えているのである [*]。
[*]  このあたりの記述は、LPのHawaii編と清水善和の前掲書を参照してまとめた。  

 またハレアカラは、ハワイ神話のなかに登場する英雄マウイの物語の舞台でもある。
 むかし太陽は長く眠ることを好んでいた。そのため天空をさっさと駆け抜けたので、人びとは昼が短くて困っていた。英雄マウイはハレアカラ山頂で太陽を待ち伏せ、ココナツの繊維でつくったロープで太陽を捕まえた。そして、昼を長くするよう誓わせたという。
 ハレアカラとは、ハワイ語で「太陽の家」という意味であるゆえんである。
 そしてこの物語を聞くとき、われわれは、ハワイ語でうたわれるHapaの名曲、"Haleakala" を思い起こさずにはいられない。

 

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