註:このページは旧サイト「子づれ散歩旅の絵本」(2004年にいったん閉鎖)のものです。現在は「さんぽのしっぽ」の一部として組み込まれています。アーカイヴを目的に復活させたため、その後のアップデートはおこなっておりません。当時のサイトURLは現在は有効ではなく、一部にリンク切れもあります。どうかご了承ください。
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散歩旅のもくじ

 
  1──石垣空港
2──タクシー(石垣空港−離島桟橋)
3──離島桟橋(石垣港)
4──竹富港
5──集落への道
6──塔にのぼる
7──大浜荘
8──民芸喫茶マキ
9──公民館
10──お土産かつ

     
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タクシー
(石垣空港−離島桟橋)

 

 「どこから来た?」タクシーの運転手が訊ねた。

 「千葉からです」とぼくは答えた。こういうとき、「東京から」と答えると、なんとなくヒンヤリした空気が流れる、というエッセイを以前に読んだことがある。そうかどうかは知らないが、とにかくこのときも運転手のひとは「千葉か!」とおどろいた顔をしてみせて、「石垣はあったかいだろ」とつけくわえた。今朝、自宅をでたときの気温は摂氏1度だった。石垣は20度である。暖かいというより、汗ばむくらいだ。「これでも一年でいちばん寒い時期なんだ。どうだ? 石垣に住まんか」

 10分ほどで離島桟橋に着いた。料金810円。10円玉のもちあわせがなく、5円玉と1円玉で支払おうとすると、「いや、やめろ。いいんだ、10円なんか。おまけだ!」と運転手は手を振った。沖縄はタクシー代が安くて、近くでも嫌な顔をしないのがいい。みんなよく利用している。ニューヨークでも同じような話を聞いたことがある。東京のタクシーも、ぜったいに沖縄やニューヨークを見習うべきである。

 空港から離島桟橋までは、バス便もある。だが、あちこち寄り道してまわるので、必ずしもつかいやすくはない。午後遅く石垣空港に着いた知人が、バスに乗ったがために、夕方5時半の竹富行き最終の船に乗り損ね、石垣泊を余儀なくされたことがある。

     

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