註:このページは旧サイト「子づれ散歩旅の絵本」(2004年にいったん閉鎖)のものです。現在は「さんぽのしっぽ」の一部として組み込まれています。アーカイヴを目的に復活させたため、その後のアップデートはおこなっておりません。当時のサイトURLは現在は有効ではなく、一部にリンク切れもあります。どうかご了承ください。
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散歩旅のもくじ

 
  1──石垣空港
2──タクシー(石垣空港−離島桟橋)
3──離島桟橋(石垣港)
4──竹富港
5──集落への道
6──塔にのぼる
7──大浜荘
8──民芸喫茶マキ
9──公民館
10──お土産かつ

     
4 竹富港
 

 港は島の北岸にある。ここが唯一の港である。波照間と違って漁船の姿はない。コンクリートと消波ブロックでがっちり固められた港の印象を一言でいえば、一面の灰白色である。港湾施設は立派だが、それは漁業用ではなく観光用だ。この島は観光の島なのである。多くの観光客は石垣から日帰りで観光に来る。なにしろ高速船で10分の距離だ。港の眼前はすぐ石垣島である。船が着く時間になると、桟橋には島内観光のためのワゴン車が何台もやってきて、待機している。

 船は30分おきくらいで頻発している。一日60便以上になるという。八重山観光フェリー安栄観光の2社が高速船をだしている。なぜか2社とも同時刻に出発し、同時刻に到着する。宿泊していた大浜荘のおじいさんは、かつて八重山観光フェリーの船にのり、25年も機関長をつとめていた。おじいさんに、知人が訊ねた。

 「なぜ2社が同時なんですか? 15分ずつ出発時刻をずらせば、もっと便利なのに」

 おじいさんは、一瞬ことばを詰まらせた。それから答えた。

 「ま、いいんじゃない?」

     

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