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10 お土産かつ |
公民館のはす向かいにある。赤瓦の民家の軒先を改造しただけの簡単なつくり。この島でほとんど唯一のお土産物屋兼お茶屋さんである。 ゴーヤジュースを頼むと、おばさんは「苦いよ」と笑った。「うちのゴーヤジュースは本物なのよ」。 30年以上もまえ、まだゴーヤジュースがめずらしかったころ、那覇の料理学校で習ったのだという。よそのゴーヤジュースは甘味をくわえてあったりするが、それは邪道だという。 だされたゴーヤジュースは透きとおった緑色をしていた。たしかに苦かった。けれども渋みはまったくなく、澄んだ苦みだった。ゴーヤジュースを飲んで、一緒にだされたサーターアンタギーを一口ほおばると、このうえなく幸せな味がした。 軒下にぶらさげられたバナナが島風に揺られていた。 |
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