「散歩旅」——。それは「非日常」を消費する旅というより、さまざまに異なるいろんな「日常」に触れることをとおして、「日常」というものを捉えなおしてゆこうとする旅のこと。
「ありきたり」や「平凡」から逃れようとしても、べつの凡庸さに回収されるだけだ。自己がいだく「イメージ」を一方的に相手に投影したり、あてがいぶちの「経験」を予定調和的になぞってよろこんでみたり、あるいは、異質性や類似性をことさらに強調したくなってしまったり。
そうではなく、みずからの予見はなるべくいったん棚にあげ、目の前にあらわれるものに、ただ素直に向きあうこと。その姿勢こそが、ぼくたちの旅のパスポートだ。
だから、とくべつ変わったことをする必要はない。いつものように歩けばいい。
気負わず、はしゃがず、無理をせず。出会うひとやもの、こと、風景をよく見、よく聴き、よく感じること。それができて初めて、ぼくたちは旅から学び、考えることができるだろう。
それが、ぼくの旅のスタイルなのだとおもいます。つねに完璧に遂行できているわけではないにせよ。
そんな「散歩旅」の経験の一端を、このサイトに書き留めています。