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ランタン谷トレッキング
ネパール──1997/04-05
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970428 ラマホテル→ランタン

 0500起床、0600よりチャイやホットレモンを飲み、0640出発。川沿いを詰めていく。0720、5分間の小休止。谷の奥の先に、白峰がきらめている。ランタン・リルン(7245m)だ。
 0815-0830、川原のすこし開けた場所、Gomnachwkで休憩。シャクナゲのような白い大きな花がたくさん咲いている。こちらのことばでガルマというのだそうだ。ホットレモンをもってきてくれたバッティの若旦那が、手を怪我したというので、バンドエイドを一枚あげる。するとこんどは、ベルトが切れたと腰を指さす。われわれのベルトをあげるわけにはいかないので、そう伝えると素直にあきらめ、帰りにはぜひうちに泊まっていけ、と言った。バッティは宿泊もできると初めて知った。
 0840、Hotel Woodlandで5分間の小休止。このあたりもガルマが咲き乱れている。ここをすぎると急登が始まった。谷の両側にそそり立つ山壁が迫ってくる。0920-0930小休止。ふたたび急登に挑む。ここを登りきると、開けた平坦な場所へ出た。Ghoda Tabelaである。ここのバッティで昼食をとる。もうフライドライスなど食べる気がしないので、チベタン・ブレッドという、ナンのようなものにジャムを塗ったのを頼む。やがてバリバリバリと爆音が近づいてきた。みるとヘリコプターが着陸しようとしている。食事をしていたトレッカーたちが、着陸地点に近づく。みんな暇である。われわれも行ってみる。何事かとおもったら、ヘリコプターからは日本人の女性2人組トレッカーがガイドと一緒に降りてきた。カトマンズから30分だそうだ。昨日のバス旅の苦行(でも楽しかったけど)を思いだし、すこしムッとなる。みんなも、なーんだ、という感じでまたそれぞれの場所へ戻っていった。
 1115、Ghoda Tabelaのすぐ先にチェックポストがあった。屯所の窓口には誰もいない。大声で呼ぶと、若い係員が出てきた。ここからは急登はなく、両側にそそり立つ山々を眺めながら比較的平坦な道を歩いていく。道の両側は耕作地であったり、林になっていたりする。ときどき、カランカランとのんびり鈴を鳴らしながら、ヤクの群が草をはんでいる。このあたりから、《あ》がだいぶ疲れだした。Tさんたち3人には先行してもらい、われわれはあとから無理のないペースで歩いていくことにした。
 1155-1205、小休止。
 1230-1255、Thangshyapのバッティに着く。標識には標高3200mと記されている。タルチョーという幟が何本も立てられ、風にはためいていた。バッティは腰高の石積みで囲われており、そこに木でつくった簡単なテーブルとイスが並べられていた。Tさんたちはすでにイスに坐っていた。各自ホットレモンやレモンティで休憩する。
 ここに若いイスラエル人女性トレッカーが居合わせた。彼女たちは、店の主人に板チョコをもってこさせ、一口かじると「傷んでる。お金は払えない」と猛烈な調子で口ぐちに苦情を申し立てた。主人はうまく英語で弁解することができず、代金をもらうのを諦めた。そのようすをみて、イスラエル人たちはケケケと笑った。つぎに彼女たちはミネラルウォーターをもってこさせた。キャップを開けると、おそらく消毒剤なのだろう、そのなかに白いちいさな錠剤を数粒落とした。
 1350-1400、小休止。
 《あ》はときどき足が止まってしまう。歩いては止まり、また歩いては止まる。疲れてはいるが、気持ちはなえていないようなのが救いだ。たしかに昨日ときょうはかなりの高度差を登ってきた。われわれは日頃特別なトレーニングなどなに一つしていないのだから、それなりにこたえるのも無理はない。わたしも膝がすこし痛みだしていた。それでも、カトマンズで買ったストックのおかげで、ずいぶん助かっている。
 石造りのこじんまりした水車小屋を横にみながらちいさな川を渡ると、そこがランタン村だった。Lama Guest Houseの主人が薦めたLang Tang Hotel(名前は不正確かもしれない)へ泊まる。夕食のとき一緒になったアイルランドから来たという女性は、旦那さんが高山病でベッドに入ったまま一日ここに滞在しているのだという。夜、ラム酒をすこし飲む。眠ってからしばらくして頭痛がしはじめた。


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