2014-10

利尻山 2014/09

利尻山に登る 3

九合目から先、傾斜はさらにきつくなり、足場はいっそう悪い。石のごろごろしているところを抜けると、こんどは細かい軽石だらけとなる。足を地面においても安定せず、そのままずりずりと軽石ごと流れてしまうのだ。足の痛みがあり、攣りそうになる。
利尻山 2014/09

利尻山に登る 2

0240ヘッドランプをつけて出発。前日、キャンプ場の管理人さんから、こう言われていた。休憩を含めて往復には11時間を見ておくように、そして遅くとも0430までには歩きはじめるように、と。その時間なら、島の宿から送迎されてくる登山客よりも先行できるのだそうだ。
利尻山 2014/09

利尻山に登る 1

利尻山に登ってきた。利尻島を訪問するのは学生時代以来である。あのときは悪天候が恢復せず、3日ほど粘ってみたものの撤退した。二十数年ぶりのリベンジである。なお利尻山は百名山のひとつだが、個人的にはそういうことにはあまり興味がない。
ピレネー 2014/07

ピレネーを越えて──ベンヤミン・ルートを歩く 6

トンネルを出ると、そこはもうポルボウの街だった。時刻は1610。ビーチから続くちっぽけな並木道だ。人影もほとんどない。だが、これでもいちおうポルボウでもっともにぎやかな場所である。ペットボトルの水500mlを二本買う。0.70ユーロ。公園のベンチに腰かけて、飲む。
ピレネー 2014/07

ピレネーを越えて──ベンヤミン・ルートを歩く 5

国境の稜線からポルボウまでのルートは三本ある。ひとつは尾根沿いを海までゆくルート。ふたつめは、ツーリストインフォメーションで勧められたルートで、林道づたいに谷をまわりこむ。三番目は谷へ向かって直接降りてゆくルートである。ベンヤミンが歩いたのはこのルートだ。
ピレネー 2014/07

ピレネーを越えて──ベンヤミン・ルートを歩く 4

眼下に見える広大な風景を見やりながら歩いていると、自転車のおじさんが降りてきた。ボンジュールとぼくがいうと、向こうはしばらくこちらをながめていた。そして、いちおう人間だと認めたのか、ボンジュールと返してきた。なかなかにフランス人らしい対応である。
ピレネー 2014/07

ピレネーを越えて──ベンヤミン・ルートを歩く 3

尾根に出た。台地のようにフラットな地形である。ベンヤミンたち一行は、前日に下見に「草原」まで来ている。そして、ベンヤミンは疲労のため街へは戻らず(戻れず)、そこにとどまり、野に横臥して、一夜を過ごしたという。それはこのあたりであったのではないだろうか。
ピレネー 2014/07

ピレネーを越えて──ベンヤミン・ルートを歩く 2

ベンヤミン・ルートのいちばんの難関は、山歩きではなく鉄道よ、とツーリストインフォメーションのおばさんは冗談めかして話していた。ポルボウから国境を越えてフランスへ入り、バニュルス=シュル=メールまで、まずは鉄道で移動しなければならない。
ピレネー 2014/07

ピレネーを越えて──ベンヤミン・ルートを歩く 1

ヴァルター・ベンヤミンがフランスからスペインへ非合法的に国境を越えたという話は、いろんな本に出てくる。ピレネー山脈を越えるその道とは、どんなところなのだろうか。実際にじぶんの足で歩いてみることにした。
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