利尻山に登る 3

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九合目から沓形ルート合流点まで

九合目から先、傾斜はさらにきつくなり、足場はいっそう悪い。石のごろごろしているところを抜けると、こんどは細かい軽石だらけとなる。足を地面においても安定せず、そのままずりずりと軽石ごと流れてしまうのだ。

足の痛みがあり、攣りそうになる。寒さで筋肉が収縮しているためでもあるのだろう。一歩を踏みだすのにいちいち努力が必要な状態だった。

やがて右手に、山体ががっぽり崩壊している箇所に差しかかった。ロープが張ってある。近寄らなければ、さしあたり危険はないだろう。なお下の写真は復路に撮影したもの。

左手、つまり東から風が強く吹きつける。飛ばされそうというほどではないものの、手足が冷える。このあたりは土留めの階段がつくられており、足場は悪くない。しかしその先は、また軽石のためまるで踏ん張れないところとなる。

ようやく沓形ルートとの合流点に到達した。九合目からここまで、標準タイムで50分のところ、1時間くらいかかった勘定になる。

沓形ルート合流点から山頂まで

沓形ルート合流点から山頂まで20分。これも足が辛く、長く感じられた。しかも、後ろから男女ペアが追いあげて来ている。せめて山頂には、今日三人目の登頂者としてたどり着きたいとおもう(こういう気持ちが危険なのだが)。

先行していた女性が頂上から降りてきた。長野から利尻に働きに来ている。まもなく仕事も終わり、長野に帰らなければならない。その前に登ったという。これで三度目だそうだ。山頂はもうすぐですと励まされ、最後のひと踏ん張り。

ようやく山頂には達した。0818。登山口から休憩込みで5時間38分であった。

ついに利尻山頂に到達

利尻山頂は標高1721m。しかし高緯度にあるため、本州なら3000m級に相当する。しかも登山口からここまで標高差は1500mある。やはり厳しい山である。

山頂にはお社があった。その前に丸太が数本ころがしてあった。そこに荷物を置き、まず写真を撮る。

三角点にもタッチ。

後から来た夫婦がケータイで何十枚と際限なく写真を撮っていた。

丸太に腰かけて、水を飲み、パンを食べる。東の斜面を風が吹き上げてくる。冷たい。

山頂からのパノラマ

利尻山は洋上の独立峰だ。視界は360度である。下のパノラマ写真は写真2枚を合成したもので、西から北にかけての眺望。正面が沓形の街、右手に利尻空港、その上、海の向こうに礼文島が見える。フレームアウトしてしまっているが、鴛泊の街は画面の右に位置している。

東から南にかけては、やや雲が多い。島は見えるが、海の向こうはかすんでいる。

目の前にローソク岩が見える。屹立した岩なのだが、これが溶岩の流れた跡だという。

南峰と利尻山神社奥宮

ローソク岩の隣にあるのが南峰だ。標高はそちらのほうがわずかに高いそうなのだが、崩落が激しいため立入禁止である。お社のあるこの北峰が山頂である。

このお社、正式名称は利尻山神社奥宮というらしい。お社本体は金属のロープで固縛されていた。風雨とりわけ冬季の風雪の厳しさは尋常ではないだろう。

あとからつぎつぎと登山者がやってくる。山頂で何度もカメラのシャッター押しを頼まれた。幾人かは、写真を撮るとそそくさと下山していった。

一時間ほど滞在。最初からそのくらいいるつもりだった。ところが、いざ下山しようとすると、両足ともがこわばって攣りかかっていることに気がついた。しばらく思うように足が動かせなかった。

その4へつづく

利尻山 2014/09
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さんぽのしっぽ

長谷川 一 明治学院大学 文学部 教授。博士(学際情報学)。専門はメディア論、メディア思想、文化社会学。散歩旅を愛好。メインブログ「散歩の思考」。

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