W800で紅葉の東北日本海側をひとめぐり 1

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青森まわりで秋田・新潟へ

秋田と新潟に所用ができた。飛行機や新幹線を利用するのがふつうだろうが、せっかくなので愛機カワサキW800で出かけることにした。

東北道→秋田道と走れば8時間ほどで秋田に到着することができる。だが、やはりせっかくなので、青森県を経由して日本海側をまわって秋田入りし、翌日新潟へ向かうことにした。全行程3日間の早駆けである。

先にトラックデータによる実走行ルートを示しておくと、以下のとおりである。

雨の東北道ナイトラン

日付が変わってすぐに出発した。雨は昼間からずっと降りつづいている。雨雲レーダーを確認する。宮城県に入れば雨雲から脱出できそうだ。それまでの我慢と、雨装備で身を固める。レインスーツを着用し、両手にはゴアテックスの防水グローブ、その下にはモンベルのメリノウールインナーグローブをはめた。

外環経由で川口JCTから東北道に入る。ひたすら北上。雨は止む気配もない。左側車線を時速80-90kmをキープして走る。あとからあとから、車が追い抜いてゆく。それはそれで、追突されるのではないかと不安である。さいわい風はほとんどないものの、Wはスクリーンやカウルがないため、高速走行時には身体がもろに風圧をうける。これがけっこうしんどい。しかし、それもやがて慣れた。

上河内SAを通過したころから、雨は小降りになり、やがて止んだ。0245那須高原SAに到着。バイクはぼくのほかにおらず。ライディングシューズのなかにカイロを入れ、合羽の下にダウンジャケットを着込む。グローブは、革の冬用に交換した。そして給油。

ここからはガソリンと体力がもつかぎりノンストップで北をめざす。止んでいた雨がまた降りはじめた。霧雨に近いような雨だった。ヘッドライトのところを見ると、雨粒が落ちてくるのがよくわかる。左側車線を淡々と走る。気温はまだ10度以上ある。

福島をすぎ、国見をすぎ、宮城県に入るころには雨は止んだ。仙台市街が近づいてくるころ、東の空にかすかに明るみが見えてきた。

仙台を通過し、古川ICあたりのひらたい地形を走っているころにはすっかり明るくなっていた。

反対に気温はどんどん下降してゆく。岩手県に入るころには、電光掲示板の表示は気温5度であった。市川を出発して以来、グリップヒーターはずっとオンのままだ。

0635前沢SAに到着。まず給油。スタンドのおにいさんが「寒かったでしょう」という。「ここのところは寒いといってもせいぜい7度くらいだったのに、今朝は5度ですからね。冬用の上着を着ても寒いですよ」。フードコートで天ぷら蕎麦をたべながら見たテレビ番組によれば、今朝の岩手は今年一番の冷え込み、初氷初霜であるという。0725出発。

十和田湖から青森県へ

日が昇ってきても、気温はさほどあがらず。岩手の山々は紅葉していた。山全体が紅葉するようである。ただ、ピークを少しすぎたような感じであった。

八戸道との分岐をすぎる。湯瀬あたりの紅葉はさらにうつくしかった。

小坂ICで東北道を降りる。川口JCTからここまで600kmちょっと。まっすぐ秋田道へ向かっていれば、すでに秋田に到着していたはずである。

秋田県道2で十和田湖をめざして登って行く。よく整備された走りやすい道である。発荷峠の展望台に到着した。晴れて十和田湖の碧がきれいに映えていた。紅葉はやはり盛りをややすぎた感じ。

ここは観光バスの停車スポットらしく、ひっきりなしに大型バスが来ては、おじいさんとおばあさんを供給してゆく。トイレを借りて、早々に退散。R454をくだって湖畔に降りる。人影は少ない。

湖岸を北上。終わりかけた紅葉がいい感じだった。紅葉の色ぐあいがWのオレンジとよく似合っていた。

岩木山をのぞみながら

R102を進み、黒石をとおり、弘前市街地をバイパスして、青森県道268→38→35→125→31と抜けてゆく。このあたりはナビの指示どおりに走った。

道の両側は林檎畑。林檎は、作り物かと見まごうような赤色をしており、木々に鈴なりだった。

収穫した林檎が巨大な金属のカゴに入れられて路肩に積んであったりした。出荷待ちなのだろう。

ずっと先に岩木山がきれいに見えた。

鰺ヶ沢から深浦へ

県道31を走りきったところが鰺ヶ沢。とうとう日本海に到達した。ここの三菱セルフで給油。

R101を日本海に沿って走る。

道の駅深浦に到着した。時刻は1300。

ここで昼食にした。名物的なものではなく、塩ワンタン麺を食べる。600円。味は、うーん、ふつう。とにかく温まった。

日本海をながめながら秋田まで

あとはもう、ひたすら101号を走って秋田をめざすだけだ。艫作をすぎ、白神山地をのぞむパーキングに到着した。以前に、ランクル80やディフェンダーでも来たことがある場所だ。

もう少しゆっくりまわれるといいのだけれど──とおもいながら、流れにのってひたすら南下。しかし眠気が襲ってくる。そこで道の駅峰浜で休憩した。

ここまでくれば能代はもうすぐだ。市内を抜けて、能代南ICから秋田道に乗る。こちらは流れにのって走るのだが、後続車のなかには100km/h以上で走るのを常としているような車もあるらしい。ほとんどの区間が片側一車線(しかも対面通行)なので、かれらは後ろでじりじりしている。追越車線が出現するやいなや、ただちにそちらに車線変更をして、脱兎のごとく抜き去ってゆく。

ナビの指示どおり秋田北ICで降りる(秋田中央でもよかったようである)。秋田県道72→56→62と走って、1625秋田駅前のホテルに着いた。本日の走行距離935km。

秋田県立美術館と日本酒 游神

所用のあと、開館したばかりの秋田県立美術館へつれていってもらった。藤田嗣治の壁画が展示してあるという。1935年頃、秋田の豪商が藤田を呼び、三か月ほどで蔵の壁に壁画を描かせたものだという。

すすめられていただいた秋田の日本酒、游神(ゆうしん)。フルーティでおいしかった。

その2へつづく