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香取海を走る──大利根分館・佐原水生植物園・霞ヶ浦 1/2

W800──2014年6月(2014年7月公開)

 「香取海がもたらしたもの」という企画展を、愛機カワサキW800で見に行った。行き先は、千葉県立中央博物館大利根分館。香取市佐原にある。

 W800を始動したのは、ひと月以上ぶりだ。印西市の木下までひと走りして、給油。レギュラー156円。安めのスタンドではあったものの、それでも全般にガソリン価格は高騰中。この先どうなってしまうのか。

 木下からR356大利根水郷ラインへ出る。利根川を眺めながら東へ快走。

 利根川の両岸は田園地帯になっている。見渡すかぎり平らな地形だ。このあたり、江戸時代より前までは広大な内海を構成していたのだという。それが「香取海(かとりのうみ)」である。

 もともと利根川は直接に東京湾に注いでいた。江戸の洪水被害を減じるために、江戸時代前期に流路を東に付け替え、香取海に注ぐようにする大工事をおこなった。「利根川東遷」である。それによって現在のような流路になった。

 つまり香取海は、利根川東遷以前の時代にこの地域に存在していた内海ということだ。いまの霞ヶ浦・手賀沼・印旛沼・牛久沼などがぜんぶつながっていたらしい。下の図のようだったのだそうだ。

 だから、Wで走っているこのあたりも、当時は香取海のただ中であったはずである。

 途中、成田空港への進入路の直下をとおる。着陸態勢に入った飛行機が低空で飛んでゆく。その先では、4月に開通したばかりの圏央道の下をくぐった。

 R51に入って利根川を北へ渡り、すぐに右折して利根川左岸を東進。やがて左折する。あたりは水田地帯。やはり、ずーと平たい地形がつづく。十六島というらしい。香取海に利根川東遷によって川筋が付け換えられたあとに土砂が流入してできて島なのだそうだ。

 そのまんなかに与田浦という川というか湾のような地形になったところがある。目的地の千葉県立中央博物館大利根分館は、そのほとりにあった。入館料300円。

 エントランスにはアヤメが飾られていた。季節である。

 入ってすぐのところに、なぜかスバル360が鎮座していた。

 なお、ここから先の館内は撮影禁止なので写真はありません。

 今回の企画展「香取海がもたらしたもの」を知ったのは、朝日新聞の京葉版の記事である。いちおうネット版の記事へのリンクを貼っておく。ただし全文を読むには要会員登録となっている。

 さてしかし、展示を見てみたら、記事とはちょっとニュアンスがちがっていた。ぼくは地理学的な観点から香取海に興味があった。記事もそのようなニュアンスがやや強調されていたような印象だった。だが実際には、香取海の地理学的説明は、話の前提として最初のパネルに触れられているだけだった。メインは、佐原周辺の古墳からの出土品。歴史学的な展示であった。

 気をとりなおして展示を見学。今回初めて知ったのが、石枕である。遺骸の頭部を載せるものらしい。まわりに石でつくった小さな十字架のようなものを差して立てるのだという。石枕は、国内で見つかったもののうちの半数が房総で見つかっているのだという。

 それにしても、企画展用の部屋に供されていたのは、小さな一部屋だけ。建物もかなり年季が入っている。もう少し施設を充実させてあげられないものかとおもう。

 常設展も見る。水郷の湿地の生物と、土器など古墳時代の遺跡、それに江戸期の舟運や稲作文化など。まあまあ。途中、なぜか魚類展示コーナーがあり、水槽がならんでいた。ナマズ、フナ、ドジョウ、ブラックバス、スッポンなど。中庭にはカメが飼育されていた。年寄りのグループがソファに坐りこんで世間話をしていた。

 博物館を出ると、すぐ隣が水生植物園。入ってみた。入場料700円。ちょうど季節ということで「アヤメ祭」なる催しの最中だった。