チェルノブイリを見にゆく話その20。前回その19はこちら。
松の幼木——チェルノブイリを見にゆく 19
チェルノブイリを見にゆく話その19。前回その18はこちら。旧ソ連軍の大陸間弾道ミサイル早期警戒システムの廃墟ドガ。レーダーは当時のまま、いまもそこにあったが、錆びついてうち捨てられていた。ひとが住まなくなった団地に......
旧ソ連軍の大陸間弾道ミサイル早期警戒レーダー基地跡ドガの見学を終え、チェルノブイリ方面へむかう。
川の対岸に冷却塔が見えてきた。川に見えたが、じつは原発の冷却用につくられた人造湖なのだという。近くには鉄道の引き込み線もあった。資材などを運び込むためのものなのだろうか。
ミニバスから降り、しばらく藪のなかを歩く。
冷却塔はかなり巨大だった。小径にたってズームレンズを広角側いっぱいにしても、とても収まらない。少しうしろへさがってみたが、それでも全体を収めるのはむずかしかった。
以前にドイツのカルカーへ遊園地になった原発を見にいった。そのときも冷却塔内部に入ることができた(アトラクションになっていたのだ)。あの冷却塔とくらべると、チェルノブイリのこの冷却塔は、高さも内部の径も2-3倍は大きいようだった。
隣にもうひとつ冷却塔があった。そちらは下のほうをつくりかけたところで放棄されていた。
チェルノブイリは旧ソ連で最大の原発サイトになる予定だったのだそうだ。そのために、こんな巨大な冷却塔を複数建設しようとしたのだろう。
その21へつづく。
人造湖とプロメテウス——チェルノブイリを見にゆく 21
チェルノブイリを見にゆく話その21。前回その20はこちら。冷却塔をあとにして、ミニバスは構内奥へむかった。構内にはたくさんの建物が散在していた。用途は不明なれど、いまも現役のようだ。車内より撮影。人造湖の対......