チェルノブイリを見にゆく話その12。前回その11はこちら。
遊園地――チェルノブイリを見にゆく 11
チェルノブイリを見にゆく話その11。前回その10はこちら。外へでると、雨はやんでいた。うっすらと日が射していた。つぎにつれてゆかれたのは、遊園地だった。プリピャチ遊園地の跡この遊園地は、プリピャチの若い住民......
遊園地のあとは、また藪を漕ぐ。名前はわからないが、黄色い野草が花をつけていた。キノコも生えていた。
藪を抜けてゆくと、また遊具が埋もれているのを見つけた。
こちらは遊園地ではなく、保育園のような施設だったらしい。
建物のなかに入り、部屋を順繰りに見てゆく。
荒廃、荒廃、荒廃。
子ども用のちいさな椅子の上にぬいぐるみがお座りしていたりする。いかにもわざとらしいのは、ぼくたちのような観光客が、それっぽくしつらえていったものなのだろう。それは、ぼくたちが見たいと期待しているものの具現化なのだともいえる。
チェルノブイリに来て、ぼくたちは何を見ているのだろう? あるいは、見ようとしているのだろう?
その13へつづく。
プールサイドに犬――チェルノブイリを見にゆく 13
チェルノブイリを見にゆく話その13。前回その12はこちら。各所に体育施設が設置されていたのは、いかにも旧ソ連の人工都市らしかった。その種の建物のなかには、体育館のほかに、プールを併設するものがあった。何か所かでプールを見た......