完走 ―― 爆走アラスカ・ダルトン・ハイウェイ1000マイル 36

世界でもっとも過酷な道のひとつ、ダルトン・ハイウェイを走破する旅その36。北極海に面した石油掘削のためのキャンプ、プルドーベイからの復路。ユーコン川をわたり、ダルトン・ハイウェイ起点の碑めざして走る。

ユーコン川にかかる木橋 ―― 爆走アラスカ・ダルトン・ハイウェイ1000マイル 35
世界でもっとも過酷な道のひとつ、ダルトン・ハイウェイを走破する旅その35。北極海に面した石油掘削のためのキャンプ、プルドーベイからの復路の話のつづき。パーキングで車中泊したあと、北極圏を抜け、再び娑婆に戻ってきた。天気は、......

ユーコン・リバー・クロスを出たあとは、ひたすら南下する。路面はおおむね乾燥していた。一昨日から雨が降っていないのか、降ってもすぐに乾くのかはわからない。

ユーコンXLの背面のようす。泥がこびりついて、なにかモニュメントみたいになっていた

途中ですれちがったバイクのようすをみると、泥はまだついていなかった。ということは、たぶんこの先の路面の状態はそんなに悪くないだろう。ちなみに、昨日は、南からやってくるバイクは上から下まで泥だらけ、風よけのウインドシールドにも一面びっしり泥でコーティングされたようになっていた。

乾燥路だと路面はかなり固く締まっているので、時速50マイル以上だすことができる。じっさい、たいていの車はそのくらいはだしている。

乾燥しているとき車は砂埃を巻き上げながら走る。すれちがうと対向車のそれをもろにかぶる。雨のときは泥だ。どちらにしても左側(対向車の走る側)の窓はあけはなしておくことはできない。

砂塵を巻きあげて走るトラックと離合する。このあたりはよく晴れて、強烈な日差しが照りつける

二度ほど、Finger Mountainのパーキングで休んでいた二台のオイル搬送タンク車(青いのと白いの)に追いつかれた。路肩に駐車スペースがあるときにそちらに入って道をゆずった。同じことを二度した。最初のケースは理解できる。だが二度目は、追い越していったはずの二台がどうしてまたうしろからあらわれたのか、理由がわからない。途中に休憩するような場所も脇道も何もなかったとおもうのだが。もしかしたら、たまたま同じ色の組み合わせの別の二組だったのか。

一度、右手の空き地にセスナのような小型飛行機が停まっているのを見かけた。パイロットなのか、エンジン点検中みたいな感じだった。

道路からは見えないが、沿線には何カ所かちいさな飛行場があるようだった。カナダもそうらしいのだが、アラスカは陸路のネットワークがかぎられているので、小型飛行機による連絡が発達しているようである。

ダルトン・ハイウェイの起点(終点)の碑まで、あともう一走り。写真の奥が北

今回いったブルドーベイは陸路でいける米国最北端の町だが、地理上の最北端の町はバローである。こちらは道路がつながっていないため、陸路でゆくことはできない。アラスカの州都は太平洋岸の街ジュノーだが、こちらもアンカレッジから陸路ではいけず、空路か海路となる(カナダ経由ならクルマで行けるのかもしれない)。

起点(終点)の碑の近くまで来ると、また分厚い雲があらわれ、天を覆った

途中雲が厚くなっているところもあったが、けっきょく降られないまま、ひたすらダルトン・ハイウェイを走り、とうとう起点(終点)まで戻ってきた。

左側にトラック二台が停まって荷物チェックをしていたのを見かけたが、そこがダルトン・ハイウェイの起点(終点)で、碑のあるところだった。でもそれに気がついたのは、通過してから。往路にも立ち寄ったことだし、そもそも記念碑にさして興味はない。それならそれでいいだろう。

ともあれ、これでダルトン・ハイウェイは、この起点から終点のプルドーベイまできっちり往復した。完走である。

その37(最終回)へつづく。

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