ピレネーを越えて──ベンヤミン・ルートを歩く 6

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ポルボウへ帰還

トンネルを出ると、そこはもうポルボウの街だった。時刻は1610。ビーチから続くちっぽけな並木道だ。人影もほとんどない。だが、これでもいちおうポルボウでもっともにぎやかな場所である。

並木道の入口に面してあった小ぶりのマーケットで、ペットボトルの水500mlを二本買う。0.70ユーロ。冷えぐあいはまあまあ。公園のベンチに腰かけて、飲む。一本めはあっというまに飲み干した。二本めも同じ。ようやく人心地がついた。しかしまだ水分補給は必要そうだ。

並木道の外れまで歩いてゆく。そこにあるベンヤミンの案内板の前で写真を撮る。ここがいちおう「ゴール」ということなのではないかとおもわれたからだ。

写真にあるように、このとき時刻は1620。バニュルスの駅を歩きだしたのが0940だから、ポルボウまで6時間40分かかったことになる。

ツーリストインフォメーション

それから道を渡って、ツーリストインフォメーションへ。中を確認すると、昨日と同じおばさんが店番をしていた。おばさんはぼくの顔を見るなり、歩いてきたの? いま着いたところ? フィトコのモニュメントも見た? といって、おめでとうと握手をしてくれた。

あなたのアドバイスのおかげですと、ぼくは伝えた。

昨日も行った並木道のカフェへ行き、瓶に入った200mlのオレンジジュースを二本飲んだ。

ピレネーの小石

翌朝、朝食のあと、またベンヤミンの墓(記念碑)まで歩いた。

ポケットからティッシの包みをとりだした。前日ポルボウを望むピレネーの国境の稜線で拾ってきた小石がくるまれていた。

その小石を、ぼくは墓のすぐそばに置いた。

おしまい

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