ビリニュス旧市街地にある「夜明けの門」近くのホテルをチェックアウトしたのは、1130ごろだった。
ビリニュス駅まで歩いてゆくことにした。カウナスまで、列車で移動するのだ。
「夜明けの門」の表と裏
旧市街地の歩道はピンコロ石で舗装されている。キャリーバッグは引っかかって引きずりにくい。
「夜明けの門」である。こちらは旧市街地側から見たところ。しいていえば、これが裏側、ということになるのかな。
こちらに併設(?)された教会が、このときは大にぎわいだった。ミサの最中らしかった。集まっているのは現地のひとたちで、いずれも敬虔なクリスチャンのように見えた。そしてそのまわりを大量の白人観光客が取り巻き、教会の中へ見物に入ろうとしたりしていた。
ぼくは荷物もあるし、邪魔しても悪いとおもい、早々に立ち去ることにした。
そして、こちらが表側、すなわち旧市街の外側から見たところ。朝の散歩のさいに通りかかったときには、「夜明けの門」内のアーチ状の通路の脇に、物乞いの女性がいた。けれど、このとき(午前11時30分ごろ)には、もう姿を消していた。
市場と壁画のある建物
少し歩くと、駅前へつづく道へでた。正面にある建物の壁面いっぱいに絵が描かれていた。
目の前をボルボが走り去ってゆく。リトアニアの街を走るクルマは、街並みとは対照的に(といっては失礼かもしれないけど)、新しくて高価なものが目についた。
横断歩道をわたると、そこには市場があった。一般のひとびとが買い物に来るところのようだった。中をのぞいていきたかったけれど、時間がなかったので写真を撮っただけ。
ビリニュス駅前へ
市街地を抜けると、突き当たりにこんな建物がたっていた。扉は閉ざされて久しいようすだった。用途は不明。外壁は落書きだらけだ。地下通路の入口だったのかもしれない。
階段をのぼって、バス通りを横断する。信号や横断歩道などはない。クルマの流れの切れ目を見て、えいやと横断すると、そこはもう線路際である。
鉄道博物館があるようだ。いいな、見てみたいものだ。
線路沿いに少し歩くと、見えてきた、ビリニュス駅である。
立派な駅舎だった。前に見たクロアチアのザグレブ駅を想い起こさせる佇まいだった。なんというか、無駄に威圧的な造形が、旧共産圏の駅舎建築に共通する雰囲気をかもしだしている。
ビリニュス駅でカウナス行きの切符を買う
正面のエントランスから駅舎内へ足を踏み入れる。入ってすぐの空間は、こんな感じ。ザグレブ駅も、やはり同じような雰囲気だった。
ここを右に折れると、隣に切符売り場がある。外国人専用窓口というのはとくになかったように記憶している。ぼくは、手すきのカウンターへいって、カウナスまでの切符を買った。
ビリニュス駅がザグレブ駅とよく似ていると述べたが、異なる点もあった。それは、まがりなりにも英語が(少しは)通じることだった。そしてもうひとつの大事な相違は、窓口のおばさんがいちおう親切だったことである。
ちょうど5分後に出発するカウナス行きの列車があった。だが、それにはもうまにあわない。チケットは一時間後の列車で発券するから、とおばさんは説明してくれた。といっても、指定席なのではない。乗車する列車が指定されているだけである。
ビリニュスからカウナスまで100kmちょっと、運賃は6.6ユーロだった。クレジットカードで支払った。