ミャンマー(ビルマ)の旧首都ヤンゴンへ行ってきた。街を歩いて数日をすごした。そのときヤンゴンで出会ったごはんをまとめてみた。
ダニュピューのミャンマー・カレー
ミャンマー料理といえばカレー、ということになっているらしい。出かけていったのは、ダウンタウンのインド人街の真ん中にある「ダニュピュー」という店だ。『地球の歩き方』にも載っている。定番なのだろう。
肉、魚、野菜と、いろんな種類のカレーが用意してある。外国人と見るや、男前の店主が登場して流ちょうな英語で説明してくれる。好きなものを選び、あとは席について待っているだけだ。料理はすぐに運ばれてくる。
これはチキンのカレー。カレーといっても、ふつうに想像するような、日本・タイ・インドなどのカレーのどれともちがう。いわゆるルーに相当する液状の部分が占める割合が少ない。むしろ、肉などを油で煮込んでカレー風味に仕立てた料理、という感じだ。これをごはん(むろんパサパサのインディカ米だ)にかけてたべる。
生野菜とスープは自動的についてくる。スープはやや酸味のある味。ビートのような根菜と、モロヘイヤのような菜っ葉が入っている。
インゲンのソテーは別に注文したもの。これも油こってり。地元の家族づれと相席になった。父親らしきひとは、カレーをごはんにかけるときはスプーンをつかい、口に運ぶときは右手をつかっていた。
二度目に訪問したときにはポークのカレーをたべた。こちらもおいしかった。写真を撮りそびれたが、見た目はチキンのそれと大差ない。このときあわせて注文したカリフラワーのソテーが、これ。
ちなみに、カレーと炒め物、ミャンマービール1本で、5000K(チャット。レートは1000Kで約1USドル)だった。値段は二度とも同じだった。明朗会計である。
全般に、肉は肉らしく、野菜は野菜らしく、野趣に富んだ味わいがあり、なかなかおいしい。難点は、この店にかぎらず、ビルマではほとんどの料理が脂っこいことだ。これが日増しにキツくなる。
インドふうのカレー
ダウンタウンの西側はインド人街になっている。ぼくの泊まったホテルもその地区にあった。近くのインド料理屋でカレーをたべた。ベジタブルカレーである。
プレートの手前がナン、左からトマトのカレー、ポテトのカレー、スープである。ナンの代わりに、チャパティやライスを選ぶこともできる。
カレーやスープが少なくなると、給仕係の男の子がやってきて、寸胴からお替わりをよそってくれる。
このお店にビールはおいていなかった。ペットボトルのお水とあわせて1000Kだった。
バーベキューストリートでビールと串焼き
ダウンタウンの東側はチャイナタウンである。その一角19thストリートは「バーベキューストリート」といわれているのだそうだ。夕方になると、串焼きの店がたちならぶ。そのひとつに入ってみた。
ビールは瓶かジョッキが選べる。瓶だと、日本の大瓶と同じサイズで1500-2000Kする。ジョッキだと、なぜか600Kだ。ジョッキにはミャンマービールのロゴが描かれているのだが、実際のところ中身の銘柄がなにかはわからない。
たくさんならべられているもののなかから、好きな串を選ぶ。すると炙って持ってきてくれる。
スペアリブを頼んでみた。なかなかおいしかった。厚揚げのような「トーフ」をたのんだら、中華ふうの酸味のある豆腐だった。臭豆腐というのだっけ? 個人的には日本のお豆腐のほうが好みである。
串によって値段はちがうのだろうが、このときはジョッキ3杯に串3本でたしか5800Kだった。うちビール代が1800Kだから、串3本で4000K。ミャンマーの物価を考えると、外国人向け価格ということになるのだろうか。
テーブルのうしろにいた猫。おこぼれを期待してか、ニャアと声をかけてくる。ヤンゴンの猫はみなスリムで精悍だ。これに比べたら、うちの愛猫てんてんはコブタにしか見えない。
因果関係は不明だが、この晩おなかがこわれてしまった。
別日、ビールだけ飲みに立ち寄ったら、店員の男の子たちはちゃんとぼくのことを覚えていてくれた。