石垣島の最北端・平久保崎をめざして東海岸づたいに歩く旅その9。前回は、枯れ川を越えて椰子の実を見かけた話だった。
潮が引いてきた
引きつづき海岸づたいに歩く。人間の姿はまったくない。動物も見かけない。ただ淡々と歩く。
潮が引いてきた。満潮からもう2時間がすぎている。海岸には満潮時の海岸線に沿って漂着ゴミが一列に行儀よくならんでいた。2時間でこれだけ海面が後退するのだ。
後退した海面のあとに、小石まじりの浜が露出していた。
ふたたび津波石たち
このあたりには津波石がいくつも転がっていた。津波石とは、前にも触れたが、過去の津波のときに運ばれてきた岩のことだ。
上の写真のやつは、かなり大きかった。すでに灌木が生えている。まるで『風の谷のナウシカ』にでてくる王蟲のようだ。
こちらは大型犬くらいのサイズの津波石。砂浜に脈絡なくポツンとたたずんでいる。石垣島はこれまでに四度、大きな津波に襲われた痕跡があるのだという。
こちらの津波石もまた王蟲サイズである。
波間にポツンと突き出た岩。これも津波石なのかな? このあたりは、あちらこちら津波石だらけだった。
浦崎に到達
岩崎の岩場をすぎ、浦崎に到達した。石垣島東海岸のほぼ北端である。手前に狭く海水が入り込んだ岩場があり、その向こうに小島があった。
時刻は1255。明石の宿を出発してから4時間かかったことになる。宿のおじさんは2時間くらいといっていたが、その倍ほどかけて歩いたことになる。
地図(衛星写真)をみるとわかるとおもうが、浦崎まで来ると平野の集落はそう遠くない。1230に平野を出発するバスがあるということだったが、もうまにあうまい。最初からバスで帰るつもりはほとんどなかったので、まあ、かまわない。
月桃のお弁当
ここでお昼にすることにした。
宿のおばさんが用意してくれたお弁当は、月桃の葉にくるまれていた。月桃の葉は分厚くてつやつやしており、油分や水分を保つことができるみたいである。
お弁当の中身は、昨晩のごはんの残りもの。石垣の海をながめながらたべた。最高においしかった。
お弁当をたべた場所で、パノラマ写真を撮ってみた。左手遠くに、目的地の平久保崎が見える。
その10につづく。