油田の街で挟み撃ち ―― 爆走アラスカ・ダルトン・ハイウェイ1000マイル 23

世界でもっとも過酷な道のひとつ、ダルトン・ハイウェイを走破する旅その23。とうとう北極海に面した街プルドーベイに到着した。街は永久凍土の上に浮かぶようにしてつくられていた。

プルドーベイに到着 ―― 爆走アラスカ・ダルトン・ハイウェイ1000マイル 22
世界でもっとも過酷な道のひとつ、ダルトン・ハイウェイを走破する旅その22。地形に起伏というものがなくなった。ダートの路面は雨で泥濘み、補修工事があちこちでおこなわれていた。ひたすら北をめざして走りつづけてゆくと、プレハブの建物がちらほら目......

グーグルマップ上では、目的地はプルドーベイの中心部らしき箇所に設定してあった。そこが、ダルトン・ハイウェイの終点のようにおもわれたからだ。それに、行けるものなら、北極海のほとりまで行ってみたい、という気持ちもあった。

プルドーベイの中心部へ向けて走る。制限速度35マイル(約56km/h)だが、もっと遅い速度で走る

グーグルマップの指示どおりに走ってゆく。すると途中で、道路のまんなかに検問所のような建物があらわれた。そしてこのときぼくは、その意味を深くは考えていなかった。

なお、この先をお読みになればわかる事情により(笑)、しばらく写真を撮ることができなかった。そのため、この前後に撮影した写真を掲載する。内容と写真は時系列として対応していない箇所があることをご了解ください。
左手にホテル、右手は作業用車輌の駐車場

検問所の前で、ユーコンXLをいったん停めてみた。検問所の窓ガラスは、見たところ真っ黒だった。マジックミラー式になっているらしい。なかのようすをうかがうことはまったくできなかった。

しばらくそのまま待ってみた。だが、なかからひとが出てきたり、声をかけられたりということはなかった。反対車線ではクルマがふつうに流れていた。ぼくの目の前のゲートは上げられていた。それで、そのまま進んでみることにした。

検問所を過ぎても、まわりの風景にさしたる変化はなかった。プレハブの建物に、作業用の資材や重機がならんでいた。道路はあいかわらずの泥濘だ。

プルドーベイの道。まわりは倉庫や資材置き場のような建物ばかり

対向車線から、黒いSUVが二台やってきた。ぼくのユーコンXLとすれちがいそうになったその瞬間、それまで前後にならんで走っていた二台のSUVがさっと分かれてこちらへ向かってきた。そして、ユーコンXLを挟み撃ちするようにして、前と後ろに入って急停車した。

こういう場面を、これまで何度となくハリウッド映画で観てきたなという感覚とともに、ぼくはユーコンXLのブレーキを踏んだ。というか、前後を塞がれた以上、停車せざるをえなかった。

なんかマズイことをしてしまったみたいである。

その24へつづく。

プルドーベイで警備員に捕まる ―― 爆走アラスカ・ダルトン・ハイウェイ1000マイル 24
世界でもっとも過酷な道のひとつ、ダルトン・ハイウェイを走破する旅その24。北極海に面したプルドーベイに到着した。検問所をすぎてしばらくゆくと、向こうから警備車輌らしい2台の黒いSUVがやってきた。そして、あっというまにぼくのユーコンXLを......