雨のツンドラ ―― 爆走アラスカ・ダルトン・ハイウェイ1000マイル 17

世界でもっとも過酷な道のひとつ、ダルトン・ハイウェイを走破する旅その17。大陸分水嶺であるアティガン峠を越えて、ガレ場のダートをくだってゆくと、やがて雨が振ってきた。

アティガン峠を越えて ―― 爆走アラスカ・ダルトン・ハイウェイ1000マイル 16
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雨脚はますます烈しく

これから進むはずの谷の下のほうは、すでに雲が充満して白く煙っていた。雨脚は急速に烈しくなった。ダートの路面はあっというまに泥濘と化した。間欠ワイパーでは追いつかない。通常モードに切り替える。時速40マイルほど(約65km/h)まで速度を落とす。

ゆく手は雲でまっ白

その先で、後ろからトラックに追いつかれた。先に行かせる。さっきコールドフットの広場で停まっていたトレーラーだった。

雨のツンドラ

谷間まで降りてくると、右手に駐車帯のようなところがあり、三角屋根の建物があった。トイレかなとおもって近寄ってみたが、資材置き場か何からしく、入口は閉じられていた。

谷間にあった三角屋根の小屋

それにしても、ひどい雨だ。

ダルトン・ハイウェイでは、ここまでも雨には何度か降られはしても、ひとしきり降ると、すぐにあがったのだった。しかし今回は、どうもそう簡単にはいかない気配だった。

雨はやまなかった。ブルックス山脈を抜けると、あとはツンドラ特有の、ゆったり波打つ丘が連続する、全体にフラットな地形がつづく。

雨雲と雨脚に遮られ、視界は効かない。フロントガラスに雨粒がつくとカメラの焦点がそこに合ってしまうため、写真も撮ることができなくなった。

先行車の轍をトレース

あとはもうしっかり運転するだけだ。

カメラの焦点はフロントガラスに付着する雨粒にあってしまう。まるでターナーの絵のよう

路面がウェットなときは、ハンドルを両手でしっかり支えていないと、滑ったときにすぐに適切な対応がとりにくい。ダートの路面は、心なしか荒れ気味となる。水たまりを通過するたびにハンドルがとられる。

一度、車体が大きく振られかかった。そのとき、まったく同じように振られて、コースアウトしそうになったタイヤのラインが残っていることに気がついた。さっき先にいかせたトラックのものだろう。そこで、なるべくその先行車のラインをトレースするようにして走った。

峠の駐車帯で本日おしまい

そうするうちに小さな峠にさしかかった。峠といっても、ゆるやかな丘の上だ。あたりに樹木は一本もない。

その峠の道を、トラックが走っているのが見えた。雨の上り坂は苦しいようで、かなり速度を落としていた。

追いついて峠を登りきると、そこにちょうどいいぐあいに駐車スペースがあった。それで、そこにユーコンを入れることにした。スペースはそこそこ広い。

13時間走ってたどり着いた、峠の駐車帯にて

時刻は2243。本日の運転はここまでにしよう。

峠の駐車帯は、フェアバンクスからは373.9マイルの地点である。今朝デナリを出発したときのオドメーターが12105マイルで、いま12606マイルだから、今日は13時間かけて501マイル(806km)走ったわけだ。よくがんばりました、われながら。

その18へつづく。

白夜の夕景 ―― 爆走アラスカ・ダルトン・ハイウェイ1000マイル 18
峠の駐車帯にて世界でもっとも過酷な道のひとつ、ダルトン・ハイウェイを走破する旅その18。大陸分水嶺であるアティガン峠を越えて、雨のツンドラ帯を走り抜け、ちいさな峠にあった駐車帯に入った。湿地にかこまれてユー......
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