開聞岳に登る 3

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山頂からは種子島・屋久島まで

山頂にはすでに何人もの登山者がいた。山頂を示す立て札の前で写真を撮っているひとがいた。頼まれたので、シャッターを押してあげた。ぼくも撮ってもらった。

いちばん高い岩の上に登ってみた。正面が北で、眼下に開聞の小さな町、池田湖、長崎鼻、そして遠くに桜島が見えた。下の山頂パノラマ写真はクリックで拡大します。

右手には大隅半島の険しい山々が見える。その海に没するところが本土最南端の佐多岬だ。

南には、種子島と屋久島も見えた。だが全体に水蒸気が多く、うっすら霞んでいた。カメラには映り込んでくれないかと懸念したが、かすかに映っていた。写真の右矢印が示すこんもりした影が屋久島、左が種子島である。

こちらは山頂の三角点。

すみのほうの岩に腰かけてミニあんぱんをたべる。さっき五合目でも食べたので、四個入りのうち半分の二個だけ。じっとしていると、身体が冷えてくる。長居は無用だ。

下山開始

下山開始。無傷の左用トレッキングポールは折りたたんでザックにくくりつけ、ワンポールで歩くことにした。曲がった右用はどのみち収納不能なわけだし。

円錐型の独立峰だから、下りとなるともう下りっぱなし。早く下山できるかとおもったら、そうはいかなかった。下からつぎつぎに登山者が登ってくる。そのたびに道を譲っていると(登山では登り優先が原則だし)、おもいのほか時間を費やしてしまうのだ。

すれ違う登山者はさまざまだ。家族づれ、カップル、男の子のグループ、女の子だけのグループ、老若男女さまざまだ。3合目のあたりだったか、登山道の脇に座り込んでいる小山のようによく肥えたおにいさんもいた。登山靴を履いてはいたので、相応の準備はしてみたものの、あまりのきつさに根をあげたといった風情だった。

ジーンズで登っているおばさんもいた。あれじゃあしんどいだろうに。とはいえ、ぼくも若いころに登った北海道の山では、ほぼジーンズに綿のTシャツという姿だったはず。

二合目の登山口にたどり着いたのは1130ごろだった。ちょうどこれから登りはじめるという人たちが少なくなかった。老人もいれば、小さな子どもを連れた若い父親もいた。仮に標準タイムで登ったとしたら、往復で五時間半かかる。帰ってくる頃には夕方だ。しかも深い亜熱帯の森は暗い。余計なお世話だろうけれど、大丈夫なのだろうか。

駐車場へ帰着

駐車場で待っていたディフェンダーのもとへ戻る。牧草地にはずいぶんたくさんの車が停まっていた。あのすべてのひとたちとすれ違ったということだろう。

朝、同じ時間帯に駐車場で顔をあわせた三人組のひとりと一緒になった。お連れさんは子どもづれ。その子が五合目まで降りてきたところで「疲れた、足が痛い」と言いだし後落したので、ひとりで先に降りてきたという。

「いつも山はおひとりですか?」とその中年男性は訊いた。ぼくが「ええ」とうなづくと、かれはぼそりとつぶやいた。「ひとりじゃ怖くって」

おしまい

開聞岳 2015/09
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さんぽのしっぽ

長谷川 一 明治学院大学 文学部 教授。博士(学際情報学)。専門はメディア論、メディア思想、文化社会学。散歩旅を愛好。メインブログ「散歩の思考」。

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