開聞うろうろ 1 ──温泉・コインランドリー・コンビニ

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「レジャーセンターかいもん」で温泉につかる

開聞岳に登ったあと、その周辺をうろうろしてみた。

まず向かったのが温泉だ。下山したところに案内の出ていた「レジャーセンターかいもん」。

レジャーセンターかいもん | いぶすき観光ネット
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開聞川尻という集落の海っぺりに立っていた。

目の前に、いま登ってきたばかりの開聞岳がドーンと見える。

施設は年季が入っていた。温水プールも併設されているが、工事中とのことで使用できない。お風呂だけなら340円。ぼくはそれで十分だ。衣服を入れるロッカーはいちおう鍵つき。100円リターンではなく、上から押すと平たい鍵が飛び出てロックされる、昔ながらの方式だ。

ぼくが服を脱ごうとしていると、地元のおじいさんが入ってきた。痩せていたが筋肉質のよく締まった体つき。でもたぶん70をだいぶ越えているだろう。ぼくを見て「もう上がるのか」と訊く。「これから入ります」と答えると、重ねて「山に登ってきたのか」と訊いた。「はい」と答えた。かれは「開聞岳は指宿側から見るとちょっと丸っこい形をしているが、枕崎から見ると、富士山のようなきれいな形をしているからな」と教えてくれた。

シャンプーとボディソープは備え付けてあった。温泉は透明でくせがない。温まった。露天風呂はないが、ぼくはまったく気にならない。むしろここは、地元の人のための銭湯代わりのような温泉なのだろう。北海道ではよくある温泉である。

番台のおばさんにコインランドリーの所在を訊く。「ありますよ、枕崎へ行かれますか、指宿へ帰られますか」と訊く。「車だからどちらでも行けます」とぼくは返した。だがおばさんは、肝心の店の場所をうまく言葉にあらわせず、なんと説明したらいいかと困っている。あまりに日常的すぎて、理解はしているのに言語化できない、ということのようだった。おばさんは「今日は登山のひとが多いそうだから、ここも混むかも」といっていた。

猫バスもやってくる「リックとくなが」

開聞の街まで戻った。

登山口への通り道沿いの交差点に面してコインランドリーがあった。洗濯機は300円。終了まで35分と表示された。

待ち時間に向かいにある商店へ行ってみた。「リックとくなが」というお店。つくりはコンビニふうだったが、セブンやファミマのようなチェーン化されているという通常の意味でのコンビニではなく、基本的には個人商店のようだった。

野菜ジュースとサンドイッチ、それにマシンで淹れるアイスコーヒーを頼んだ。するとマスクをしたおばさんが「どこで食べられます?」と訊く。そして「よかったらここで」とカウンターの端にあった簡単な折りたたみテーブルを貸してくれた。ありがたく、そこでゆっくりと食べることにした。

目の前に開聞岳が見える。ほんとうに、目の前だ。一時雲が出ていたが、いまはそれもとれている。店には、板で器用につくったトトロや、バス停がおかれていた。姉がつくってくれたものだそうだ。「いろいろつくるのが大好きな姉で」とのこと。おばさんはとなりのトトロのメイちゃんが大好きで、元気をもらえるからということらしい。このお店ができた25年前から、ここに立っているという。

近所の子どもたちが店に来ては「猫バスが停まるの?」と訊く。そのたびに「そうかもね」とおばさんは答えるのだそうだ。

「なのはなランドリー」のミヤコ蝶々

コインランドリー「なのはなランドリー」へ戻る。こんな貼り紙がしてあった。ピンぼけご容赦ください。

洗濯が終わるまでのあいだiPhoneでルートの検討をしていると、乾燥機を使っていた先客がやってきた。最初は母娘。洗濯物をたたみながらふたりで話をしていたのだが、帰りぎわにぼくに挨拶し、「おつかれさま」と言った。「おつかれさま」というのがこのあたりの挨拶なのだろうか。山でもすれ違った登山者からそう声をかけられたことがあったのを思い出した。

次にやってきたのは元気なミヤコ蝶々みたいなおばあさんだった。乾燥機から毛布を取り出しながら、前からの知己ででもあったかのような勢いでぼくに話かける。天気の話から始まり、つぎつぎと話題が移り変わってゆく。連休でずっと働いてきたから終わるとほっとするというような話、砂蒸し風呂は山川のほうへ行く、砂の質もいいし、15分で上がれと言われるのを、わたしは30分入っている、体を治しに来ているんだから。砂蒸し風呂は効く。すぐに体じゅうからバアッと出てくるのがわかる。そのあと温泉で洗い流すのだが、シャンプーや石鹸が使えないので、指宿のナントカ温泉へ300円払って入りにゆくという。マッサージにもゆく。いつも同じ人を指名して頼むのだそうだ。

そのうちぼくの洗濯が終わり、衣類を乾燥機に移した。するとおばさんは、ぼくの洗濯物をいきなりぐいっとひとつかみ。そして「これなら200円を投入するだけでいい」という。そのとおりにした。時間にして20分だ。おばさんは話すだけ話したら毛布をかかえて帰っていった。20分後に乾燥機が停止すると、はたして洗濯物はすっかり乾いていた。

その2へつづく