雪の晩成温泉——初積雪の十勝を走る 3

降りしきる雪のなか、対向車ともほとんど出会わないまま、十勝の太平洋岸に沿ってナウマン国道(R336)を爆走した。そうしてやってきたのが、大樹町にある晩成温泉だった。

大津海岸とナウマン国道——初積雪の十勝を走る 2
初積雪となった十勝を走る旅その2。十勝川河口の小さな集落、大津で海岸へ出てみた。海岸は雪原と化し、猛烈な風が吹いていた。そこから、ほとんど対向車の来ないナウマン国道を爆走して、太平洋岸にある晩成温泉へ向かった。
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晩成温泉に到着

晩成温泉は、すっかり雪に埋もれていた。

とはいえ積雪量はまだそれほど多くはない。数センチ、せいぜい10センチたらず、といったところだろう。駐車場はすでに除雪されていたが、3台ほど駐車していただけ。いずれも従業員のクルマらしく、ずいぶん端に停めてあった。

事前に調べたところでは、営業は午前9時から、ということだった。この雪でも、開いているかな?

入口は開いており、たしかに「営業中」の看板が掛かっていた。

ぼくの好きな晩成温泉

ぼくは、世の中によくいる温泉愛好家というわけでは、まったくない。ところが、この晩成温泉はなぜか好きで、これまで何度も訪れている。メイン・ブログ「散歩の思考」でも、何度かとりあげた。

晩成温泉のW1SA
晩成温泉の前にW1が停まっていた。左チェンジだったから、W1SAだろう。ぼくの好きなオートバイである。発売は1971年。ほぼ40年経過していることになる。ていねいに乗られているのであろう、状態のいい個体であるように見受けられた。それでもエン
晩成温泉に泊まる 1/2
大樹町の晩成温泉は、好きな場所のひとつである。あたりに人家はない。ただ目の前には、十勝らしいどうにも茫漠とした浜があり、その向こうに太平洋が、やはり茫々とひろがっている。「温泉」といっても、関東あたりの観光地で想像するようなそれではまったく
晩成温泉に泊まる 2/2
その1のつづき。入浴券をもって温泉棟にいく。受付で券をだすと、バスタオルとハンドタオルを貸してくれる。なかなかありがたいサービスである。温泉はヨード泉。赤チンみたいな匂いがする。東京に帰ってから学生に訊いたら、誰も赤チンを知らなかった。露天

「温泉」といっても、晩成温泉には肩肘を張ったようなところはまったくない。関東の著名温泉地のように、むりやり「伝統」や「高級」っぽさを演出してなどいないし、すっかり一大産業となった日帰り温泉施設のような、ビジネスビジネスした雰囲気からもかけ離れている。ほぼ銭湯のようにして、地域のなかに自然に溶け込み、地元のひとたちに愛されている。

北海道大樹町公式ホームページ
北海道大樹町の町政・施設・産業・各種手続きの案内、イベント・観光情報など

そしてなにより好きなのが、あたりの地形である。人家から遠く離れた茫洋たる十勝の海岸で、目の前に太平洋がひろがっている。そんな雰囲気が、ぼくは好きなのだろう。ちなみに、グーグルマップで場所を示せば、以下のとおりである。

晩成温泉に入館する

さっそく入館してみよう。

入ってすぐに靴を脱ぐスペースがある。靴は、右手にある下足箱に入れる。

「フロント」と書かれた看板がさがったカウンターの脇に自動券売機がある。ここで入場券を買う。一般500円だっただろうか。大樹町民であればもっと安く利用することができるようだ。

受付のおばさんに、いま買ったばかりの入場券を手わたす。おばさんは「ポイントカードはお持ち?」と訊く。持っていませんと答えると、「つくります?」。いくら好きな場所とはいえ、ポイントカードをつくるほど頻繁に来られるわけがない。いや、大丈夫ですと断ると、おばさんは、そうですよねという顔をした。あきらかにこのへんの人間ではないとわかるのだろう。

なお、前に来たとき(というのはもう数年前になるのだが)には、ポイントカードというシステムはなかったような気がする。2018年1月に小火騒ぎがあったそうなので、そのあと集客のテコ入れに導入されたのかもしれない。

建物は大きくて、館内はがらんとしている。これも北海道の温泉にはよくあるつくりだ。フロントの傍らにあったロビーのテーブルには、木彫りの鴨がおかれていた。

季節柄、クリスマスツリーも設置されていた。奥にはガチャガチャやゲーム機がおかれ、ささやかなゲームコーナーになっていた。

その手前、写真でいうとツリーの左隣は売店で、土産物がおかれていた。十勝や大樹のお土産品がいくつか。それにくわえて、ネパールのファブリックやバッグなどもならんでいた。十勝でネパールとは。

その4につづく。

晩成温泉館内のポスターを鑑賞——初積雪の十勝を走る 4
初積雪となった朝、帯広から十勝川河口の大津海岸、ナウマン国道をへて、大樹町の晩成温泉にやってきた。館内はポスターだらけ。それらをひとつずつながめてみる。
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