開聞うろうろ 3 ──周回道路・トンネル・西大山駅

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開聞岳周回道路

開聞駅から少し西へ走ってから国道をはずれ、開聞岳の麓を周回する道へ入った。両側は畑だ。作業の人も多い。バックに開聞岳がきれいに見える。路肩にディフェンダーを停めて写真を撮ってみた。iPhoneのパノラマ機能をつかうと、見わたす限り畑の中で三角錐型の開聞岳と、それを背景にしたディフェンダーが映った。パノラマ写真はクリックで拡大します。

すぐ先に花瀬望比公園があった。海岸沿いにいくつかモニュメントが立っている。戦時中にフィリピンで亡くなった兵士の慰霊塔である。ここからフィリピンまで海上1500キロだそうだ。そういわれると、遠いけれど近いような気もする。この旅で今この地に立つまでに、ぼくとディフェンダーはすでにそれ以上の距離を走ってきている。

軽機関銃や擲弾筒のようなものをもった兵士の石像がたっていた。フィリピンで亡くなった旧日本軍の兵士の数は47万。うち鹿児島出身の兵士は1万だという。五十年ほど前に建てられたものらしい。きれいに管理されているが、ほかに人影はなく、ややなんともいえない印象の場所であった。

周回道路の謎のトンネル

周回道路をぐるっとまわってみる。地図でいうと、開聞岳の海側の麓を横切ってゆくようなルートだ。道路は海から少し高いところを通っている。右手は畑。左手は森。しばしば気根が路上まで垂れ下がっている。道は徐々に荒れてくる。ランニングをしているカップルを追い越した。

その先にトンネルがあった。

不気味なトンネルだった。狭くて、なかにはまったく照明がない。車のヘッドライトだけが頼りだ。しかもトンネルは屈曲しており、向こう側の出口が見えない。こんなトンネルを二つ連続して通過しなければならない。対向車が来たらどうすればいいのだろう? いちおう途中で離合可能な場所もつくってはあったが、そこまでバックしろということか。それにしても、さっきのカップルはあのトンネルをどうやって通過したのだろうか。

トンネルを抜けると、開聞自然公園だった。トンネルのあの不気味な光景がまるで幻のようである。さっき温泉に入ったレジャーセンターかいもんの裏を通り抜け、長崎鼻のほうへいったん向かったあと、やや引き返すような形で戻り、西大山駅へいった。

「パワースポット」化した西大山駅

西大山駅はJR最南端の駅である。ここにはおどろかされた。かつてはホームと開聞岳のほかは何もないような場所だったはずだ。だがすっかり様変わりしている。

ホームからはいまも開聞岳の姿が見えるものの、周囲には浮かれ気分がただよい、奇妙ににぎやかだった。土産物屋ができ、誓いの鐘とやらが設置され、石はパワースポットということになっていた。土産物屋はレンタサイクルもやっていた。ここにはここの事情があるのだろうけれど、ぼくのような人間が長くいるところじゃなさそうだ。

サツマイモ専門店の紅さつま

国道で指宿へ向かう。山川の先の成川で、サツマイモ専門と看板を掲げた店を見つけた。

おばさんがいろいろ教えてくれた。この季節はまだ早く品種の差はさほどない、10度以下にしないように注意して保存すれば半年もつなど。さすが専門店だ。いちばん安かった紅さつまを5キロ買った。段ボールちょうど一箱である。

その4へつづく

開聞 2015/09
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さんぽのしっぽ

長谷川 一 明治学院大学 文学部 教授。博士(学際情報学)。専門はメディア論、メディア思想、文化社会学。散歩旅を愛好。メインブログ「散歩の思考」。

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