初めてのLOTポーランド航空
ユネスコの国際会議に参加するために、リトアニアへ行くことになった。
10月下旬だから、そこそこ安いフライトが見つかるのではないか。そう最初は考えていたが、甘かった。いつものように、スカイスキャナーやグーグルフライトで探すものの、どれも高い。もっと早くから探しておけばよかったと若干後悔したが、いまさら仕方ない。決まったのが遅かったのが悪かったのだ。
けっきょく、相対的にいちばん安くてフライト時間が短くてすみそうだという理由で選んだのが、LOTポーランド航空 (LO) だった。
東京からワルシャワ経由でリトアニアのビリニュスまで、往復125,150円(諸税込み)。同社のホームページから予約した。この航空会社を利用するのは、初めてだ。
座席は狭いが、こんなものか
LO80便ワルシャワ行きは、成田空港第一ターミナルの42番ゲートから出発した。LOTポーランド航空はルフトハンザ航空の傘下で、スターアライアンスに加盟している。ぼくはANAのスーパーフライヤーズ会員なので、スターアライアンス・ゴールドメンバー扱いで、一般の乗客の方々よりひと足先に搭乗させてもらうことができた。
機体はB787-9で、エコノミーの座席は3-3-3の9列というレイアウト。ふだんよく利用するJALだと、2-4-2の8列である。さすがにけっこう狭く感じられた。
前の座席とのピッチも狭く、座席モニターが少し近すぎて焦点が合いにくかった。
それでも中央3列の通路際だったし、真ん中の座席は空席だったおかげで、さほど窮屈な思いはせずにすんだ。
機内食とZywiec
離陸してしばらくすると、イヤホンとお手ふき(ちいさなパックに入ったもの)が配られた。
話には聞いていたが、ポーランド人のCAさんたちはまったく表情というものを変えない。悪気があるわけではなく、そういうハビトゥス、つまり身体的な習慣なのだろう。
機内誌はポーランド語と英語の二言語併記だった。就航地マップを見ると、ヨーロッパ各地にけっこう路線網を張り巡らしているらしい。
食事はいきなり配られた。チキンかビーフかと訊ねられたので、後者をたのんだ。
メインのほかに、パンと、サラダみたいなものが二皿とフルーツ。メインの銀紙をはがすと、牛肉を煮たようなものがあらわれた。
飲み物にビールを二つ頼んだら、ポーランドの定番 Zywiec(ジヴィエツ)をくれた。
ワルシャワ到着まであと2時間というころに、二度目の食事が配られた。パスタかチキンかの二択で、チキンにした。自動的にパンもついてくるので、パスタだと炭水化物オンパレードになりそうだったから。
ところが実際には、写真のとおり、チキンも焼き鳥丼のようなものだった。どちらを選んでも炭水化物大集合状態だったわけだ。
日本語アナウンスと着陸直前の機内放送
最初の食事が終わってから、二度目の食事までのあいだは、ほぼ6時間。その間はずっと、MacBookAirで発表の準備をしていた。
ありがたいことに、通路をはさんで反対側は、3席連続して空席になっており、そこを占有することができた。おかげで、壁側に背をもたせかけて、足を投げ出した恰好で、ずっと作業することができた。
機内アナウンスをするポーランド人CAさんは達者な日本語を話した。ただ、慣れた日本語ではあったものの、抑揚(音の上がり下がり)に独特の不自然さが残っていた。それが、第二言語の完全な習得の難しさを一般的にあらわしている現象なのか、日本語固有の問題なのか、そのあたりはぼくにはわからない。
着陸直前に機長が機内放送を入れる。たいていは、客室乗務員は着陸に備えよという短いアナウンスだ。この機長もそれは同じだったが、そのあとがちがった。「あと5分!」といい、さらに「あと1分!」とうれしそうに叫んだ。こんなアナウンス、初めて聞いた。