ビリニュス駅を出発した列車に乗ってカウナス駅へ向かった。
小一時間で到着。雨が降っていた。
カウナス駅のコインロッカーで荷物を預ける
カウナス駅もまた、ビリニュス駅と似た威圧的な建物だった。でも心なしか、こちらのほうが少しちいさく、そこまでいかめしくない印象だった。
駅舎のなかの待合室のようす。天井がやたらに高い。
この待合室を抜けた先に、コインロッカーがあった。
ここにキャリーバッグを預けることにした。開いているスロットにキャリーを押し込み、手続きをする。放っておくとロッカーの蓋が浮いてしまうので、足で押さえながら手続きするのがコツだ。
手続きは、ここのキーボードでおこなう。値段は2ユーロ。支払はコインのみだ。
キャリーを預けてしまえば、あとはバックパックだけの身軽さである。
カウナス駅の杉原千畝顕彰プレート
駅から杉原千畝記念館まで歩いてゆこう。グーグルマップに、日本語で「杉原千畝記念館」もしくは英語で “The Sugihara House” と入力すると、所在地が表示される。駅から徒歩およそ15分ほどの距離らしい。
歩きだす前に、駅舎の外壁に埋め込まれた、杉原千畝を顕彰するプレートを見ておこう。
設置されている場所は、プラットフォーム側の外壁である。日本の鉄道とちがい改札がないため、ホームへは自由に出入りできる。
杉原千畝記念館をめざして
さて、杉原千畝記念館めざして歩きはじめよう。
駅舎を出てまず右に折れる。ビリニュス方面へ少し戻る感じである。すると、線路際にバスの溜まり場が見えてくる。
ここを通り過ぎると、その先にコンクリート造の歩道橋が見えてくる。
この歩道橋をつかって大通りを横断する。写真でいうと、左手に向かってゆく。
歩道橋の階段の路面のようす。築年数が経ち、風雪にさらされて傷みがはげしい。
落書きもあり、空の酒瓶もおかれていた。ただ、それだけといえば、それだけ。とくべつに荒廃した印象はない。夜間はあまり通りたくはないけれど、明るいうちなら問題なさそうに感じられた。駅構内のようすを見下ろすことができるので、鉄道好きにはよい場所である。
歩道橋をわたる。その先は、雑木林に覆われた丘だ。
雑木林の丘の斜面を登る。
カウナスも晩秋の雰囲気だ。丘は一面、落ち葉に覆い尽くされていた。
雑木林を抜けて古い住宅街へ
雑木林を抜けると、住宅街にでた。古くからある住宅地のようだった。
鉄製のマガジンラックがならんだもの。郵便受け、だろうか。だいぶ年季が入っており、台座がかしいでいる。
あいにく天候は雨。折りたたみの傘をさして歩く。だが、強風にあおられて傘が反り返ってしまう。
その先で、道は行き止まりとなる。右に折れて一筋北側の道をさらに進む。するとまもなく、目的の建物が見えてきた。
杉原千畝記念館だ。1940年当時、在カウナス日本領事館だった建物である。それがそのまま、いまも残されている。