フェアバンクス出発 ―― 爆走アラスカ・ダルトン・ハイウェイ1000マイル 6

世界でもっとも過酷な道のひとつ、ダルトン・ハイウェイを走破する旅その6。長い準備篇を終え、フェアバンクスでの給油と買い出しもすんだ。いよいよ出発だ。

出発前の最後の準備 —— 爆走アラスカ・ダルトン・ハイウェイ1000マイル 5
世界でもっとも過酷な道のひとつ、ダルトン・ハイウェイを走破する旅その5。借りたのはフルサイズSUV、GMCユーコンXLだ。ひとりではもてあまし気味のこのクルマを駆って、北極圏をめざすわけだが、そのための準備がまだ残っていた。......
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フェアバンクスを出発

さて、そんなわけで、フェアバンクスを出発したのは、1300すぎのことだった。

フェアバンクス市内

ウォルマートの前の交差点を左折すると、もう街はずれだった。その先はアラスカ州道2号を北へ向かって走る。

計画はまだまだ慎重に

とはいえ、この時点ではまだ、ダルトン・ハイウェイを全線走りとおすことを最終的に決めてはいなかった。なんといっても、事前の情報収集だけでは状況がはっきりしなかったからだ。現地に入ってみないことにはわからないことだらけだった。

だから、まずはともかく、ダルトン・ハイウェイに入り、途中ユーコン川をわたったところにあるユーコン・リバー・クロス (Yukon River Cross) という集落をめざすことにした。そこまでのようすしだいで、そこから先のことは決めようと考えたのだ。

ダルトン・ハイウェイの地図。Wikipedia英語版 “Dalton Highway” より引用。作成はBureau of Land Management。クリックで拡大します

仮にユーコン・リバー・クロスの先までゆけそうだとなったとしても、ただちにプルドーベイをめざすと決めたわけではない。そのあとも何段階か、関門というか目安を決めて、そこへ達するたびに、その先へすすむかどうかを判断しようと考えていた。情報のはっきりしないなか、そのくらいの慎重さは必要だった。

エリオット・ハイウェイ——アラスカ州道2号

フェアバンクスをでると、しばらくはずっと快走路だ。アラスカ州道2号、通称エリオット・ハイウェイである。

このルートは、かなり起伏に富んでいた。山を登ったり下ったりをくりかえす。勾配も、けっこう急である。

パワーのない小型車は安定して走るのがむずかしいようだ。少し前を走っていた赤いフォードは、速度がでたり遅くなったり、右へ寄ったり、左のセンターラインのほうへ流れていったりと、苦労している。うしろから見ていても、ドライバーの難儀ぶりがはっきりわかるくらいだった。

前方の赤いクルマ(フォード)がセンターラインへ流れていってしまっている

大変そうだなとおもって見ているうちに、とうとう途中で路肩の駐車帯に入ってしまった(注:けっしてぼくが煽り運転をしたわけではありません)。

丘と森と山を縫って

そうこうするうち、まわりに車はほとんどいなくなった。

自転車で走ってくるひとたちとすれちがった

坂をくだるときには視界がひらける。見えるものは、アラスカ中部の大地の様相だ。

丘はゆったりとした曲線を描いて波打っている。その表面には、針葉樹がまだらに生えている。その取り合わせは、どこまでも、見わたすかぎりつづいている。対照的にそのはるか彼方には、峻険に屹立する山々の姿が見える。

ここまでは快適な舗装路だったのだが……

やがて、ところどころ未舗装区間があらわれるようになった。

その7へつづく。

ダルトン・ハイウェイへ突入 ―― 爆走アラスカ・ダルトン・ハイウェイ1000マイル 7
世界でもっとも過酷な道のひとつ、ダルトン・ハイウェイを走破する旅その7。フェアバンクスを出発し、まずはエリオット・ハイウェイを一路北へ向かう。やがて、ところどころ未舗装路があらわれはじめた。ドルトン・ハイウェイへの分岐......
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