パイプラインに沿って ―― 爆走アラスカ・ダルトン・ハイウェイ1000マイル 8

世界でもっとも過酷な道のひとつ、ダルトン・ハイウェイを走破する旅その8。いよいよダルトン・ハイウェイへ突入した。堅く締まったフラットダートを走る。ときどきパイプラインが見える。併走しているのだ。

ダルトン・ハイウェイへ突入 ―― 爆走アラスカ・ダルトン・ハイウェイ1000マイル 7
世界でもっとも過酷な道のひとつ、ダルトン・ハイウェイを走破する旅その7。フェアバンクスを出発し、まずはエリオット・ハイウェイを一路北へ向かう。やがて、ところどころ未舗装路があらわれはじめた。ドルトン・ハイウェイへの分岐......
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アラスカの自然の風景

アップダウンをくりかえしながら、アラスカ中部の自然のなかを北上してゆく。ひとの姿や人家はない。

路肩にあった駐車スペースにて

路肩に駐車スペースがつくられていた。入ってみると、案内板があった。このあたりの地形と植生にかんする説明が書いてあった。

このあたりの地形や植生にかんする案内板があった。山火事がこのあたりの植生を形づくっているという

それによれば、ときどき自然に山火事が発生する。それによって木々が焼き払われて植物が更新される。それがこのあたりの草原のような植生を形づくっているという。

駐車スペースから見た風景。たしかに山火事によって焼き払われたあとにできた草原のようにも見える

あたりの風景は、たしかに中高木があまり見あたらず、草原のように見える。

パイプラインに沿って走る

たまに標識がたっている。ユーコン・リバー・クロスまで31マイル

道路と併走して、もうひとつ、アラスカの自然を切り裂くように走っているものがある。パイプラインである。

ダルトン・ハイウェイの右手に沿って走るパイプライン

正式な名称はトランス・アラスカ・パイプラインという。プルドーベイで産出される原油を積み出し港のヴァルディーズまで運ぶパイプラインで、ダルトン・ハイウェイはその建設のためにつくられた道路だ。

現在も、パイプラインの保守と、油田のあるプルドーベイとの交通を確保する目的で、ダルトン・ハイウェイは維持されている。

すれちがうクルマとバイク

ときどき、クルマとすれちがう。油田やパイプラインとの関係からか、タンクローリーやトラックをしばしば目にする。業務で走っているらしいピックアップトラックも見かけるし、キャンピングカーなど観光目的らしきクルマも目にする。

起点に近いこのあたりは、ところどころ舗装化されていた。道路の左手奥にパイプラインが見える

バイクも少なくない。たいていはBMWのGSシリーズのような大排気量のツアラーだ。だが一度、ハーレーを見た。あれでダートをえんえん走るのは、怖いというより危険だろう。ぼくならぜったいにハーレーでは走りたくない。

ころころ変わる天候

ドルトン・ハイウェイに入ったころは、どんよりとした雲が垂れ込めていた。やがて、雨粒がぱらついた。ユーコンXLの白い車体は、跳ねた泥でたちまち茶色く染まってしまった。

ひと雨降ると、車体はたちまち泥だらけ。天候は猫の目のようにくるくる変わる

ところがその先は一転、快晴となった。こんどは暑いくらいだ。

上と同じ場所のパノラマ写真。クリックで拡大します

グーグルマップは順調に機能している。どのみち一本道なので細かい情報はあんまり必要ない。ぼくのばあい基本的に、現在の自車位置が相対的にどのあたりなのかという情報をつねに把握していたい。そのためナビは、なるべく広い範囲を表示するようにしている。

ユーコン川をわたる

やがてグーグルマップの地図上に、ユーコン川を示す青い曲線が表示されるようになった。しばらく走っているうちに、実際に川を視認することができるようになった。高い尾根上から見下ろす格好になったためか、最初は大きな湖かとおもった。

正面から左手にかけてユーコン川が見えてきた

下りきったところで、ユーコン川をわたる橋に差しかかった。

ユーコン川にかかる橋の南側のたもと。右手にパイプライン

橋の幅員は狭く、床板は分厚い木の板でできていた。同様のつくりの橋にはこの先にも何度か出会った。

橋の床は木の板。大型車とすれちがえる程度の幅員は確保されている

ユーコン川については、野田知佑さんの本などをとおした知識くらいしか持ちあわせていなかった。イメージだと大河という印象だったが、じっさいの川幅は、江戸川と同じか、それよりやや広いかな、というくらいだった。ただし河原というものがない。北海道の川と同じく、地面をそのまま彫り込んだようにして、いきなり水が流れている。

ユーコン川に河原はない。川幅いっぱいに水が流れている

橋に並行してパイプラインも川をわたる。

橋をわたった右手、パイプラインをくぐった先にログハウスがある(写真には映っていない)

わたってすぐ右に折れ、そのパイプラインの下をくぐると、小さなログハウスがあった。グーグルマップでは、なんの施設かいまひとつよくわからなかったが、インフォメーションセンターだった。フェアバンクスから139.4マイル。

その9へつづく。

ユーコン・リバー・クロス ―― 爆走アラスカ・ダルトン・ハイウェイ1000マイル 9
世界でもっとも過酷な道のひとつ、ダルトン・ハイウェイを走破する旅その9。ダルトン・ハイウェイの入口、看板のあった場所からダートを1時間ちょっと爆走すると、ユーコン川へ達した。木の板で床の葺かれた橋をわたった。すぐ右に折れ、パイプラインの下......
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