
世界でもっとも過酷な道のひとつ、ダルトン・ハイウェイを走破する旅その20。アティガン峠でブルックス山脈を越え、さらにツンドラを走った先にあった峠の駐車帯で車中泊した。翌朝、雨はやんでいた。ベーグルの朝食をたべたあと、北極海のほとりプルドーベイをめざして、再び走りはじめる。

再び雨が降りはじめる


走りはじめてしばらくは順調だったが、やがて雨が降りはじめ、すぐに強くなった。


路面はぬかるみ、水たまりもあちこちにできる。
滑るユーコンXLをあやつる
ときどき、というか、かなり頻繁に、ハンドルをとられるため、両手でしっかり保持しなければならない。


水たまりは避けられるのならそれにこしたことはないけれど、あまり気にしすぎて無理なラインをとっても滑る。けっきょく、どっちにしても滑るわけだ。
ただ、ユーコンXLは四駆のうえ車重もあるから、路面にトラクションがかけられる。多少滑ったとしても、それ以上姿勢制御がむずかしくなるようなことはなかった。


これが、ふだんミシガンで乗っていたFitのような小型軽量FFの、最低地上高の低い車で来ていたら、さすがに大変な思いをしただろう。
泥濘地獄
地形としては、ちいさな山に挟まれた川沿いのひらけたところをすすんでいるらしかった。全体としては平坦だが、実際にはちいさな丘が連続しており、道はそれをひとつずつ越えてゆく。なかには、かなり急勾配の上り坂もあった。


泥濘んだダートゆえ、途中でうっかり止まってしまったら、スリップして再発進がむずかしいかもしれないとおもわされるような箇所もあった。


たまに見かけるトラックなど他のクルマは、難儀しているようだった。路面の泥濘みがひどく、あまりにもグチャグチャだから。




さいわい、そんな場所でもユーコンXLは、立ち往生してしまうことなく、淡々と走ることができた。
丘陵地を抜けて
ゆるやかな丘陵地を抜けると、あとはもうひたすら平たい土地がつづく。そのなかを北極海へ向かって走りつづける。


まもなく、通行止めに遭遇した。
この先に、工事車両がでているらしい。泥濘地獄に対処すべく、早くも道路補修工事が始められていたようだった。


その21へつづく。

