アラスカ車中泊事情のその3。前回その2はこちら。
フェアバンクスで車中泊するために、市街の北のはずれにあるウォルマートへやってきた。広大な駐車場の端、店舗からいちばん遠いあたりには、キャンピングカーが集結していた。その数ざっと30台。もっと多かったかもしれない。
ウォルマートが、一部の店舗限定とはいえ、なぜ車中泊を認めているのか。その理由は明らかではない。ふつうに考えれば、それが売上げに寄与すると見ているから、ということだとおもわれる。
車中泊のクルマが必要としているのは、なによりも一晩安心して駐車できるスペースであり、トイレなど水場である。ウォルマートの店舗の多くは24時間営業で、店舗内・駐車場ともにセキュリティが巡回している。駐車場スペースに余裕のある店舗なら、とくにサービスを上乗せしなくとも、車中泊を受け入れることができる。受け入れれば、かれらはほぼ必ず当該店舗で買い物をしてくれるだろう。客の少なくなる夜間や未明にも駐車場に一定数の車輌が駐車していることは、店舗のセキュリティ確保の面でもプラスになる。そんなところではないだろうか。
ただし、前回紹介したサイトにも注記されているとおり、ウォルマートでの車中泊について、守るべき一定のエチケットはある(連泊しない、オーニングやチェアを車外へ持ちださない、など)。日本でも、一部の車中泊者によるやりたい放題が問題になっているようだが、マナー遵守ということにかんしては、米国は日本以上に厳しい。
ウォルマートは米国内のいたるところにある。全米で4769もの店舗を展開しているという(2019年現在)。参考までに、全世界での店舗数は1万1766にのぼるのだそうだ(2019年現在)。
この数字を全米50州で単純に割れば、1州あたり95店舗以上存在する計算になる(もちろん実際には濃淡がある)。米国内の各州をクルマで走った実感としていえば、ちょっとした街にはほぼ必ずウォルマートがひとつはある。少し大きな街になると複数存在する。逆にいえば、ウォルマートが見つかれば、その街はそこそこのサイズであると考えて、だいたい差し支えない。
なおウォルマートにかんしては、たとえば地場の小売業を著しく圧迫しているなどの問題が指摘されているが、ここでは深入りしない。
その4へつづく。