アラスカ車中泊事情のその4。前回その3はこちら。
フェアバンクス市内のウォルマートへ話を戻そう。
キャンピングカーが多数駐車していたのは、広大なパーキングのなかでももっとも店舗から遠いあたりだった。一般客への配慮、ということなのだろうとおもわれた。
ぼくのユーコンXLも無駄にでっかいクルマではあったが、キャンピングカーにくらべれば、まだ未成年といっていいくらいのサイズであり、通常の駐車スロットに問題なく停めることができる。
店舗にはまずまず近く、しかし店舗入口からは離れており、かつ植え込みの隣、というスロットを見つけ、そこへ駐車した。ここを一晩の宿とさせてもらう。
ウォルマートで買い物をする。といっても、家族づれや老夫婦といったケースの多いキャンピングカーとは異なり、ぼくは単独行。むしろ買い置きを消費するモードなので、買う物はそんなに多くない。セルフレジで会計したが、機械が不調で、けっきょくセルフレジ担当者のブースで会計してもらった。
ビールやアルコール類は隣接する別区画の店で買う。冷蔵室に入ってみると、バラ売りのビールはいくらも種類がなかったのだが、サッポロ黒ラベルの缶があったので、それを買う。缶の形は日本のそれとはちがうし、容量も違う。そもそも北米生産で、味も日本のものとは少し違う気がする。
ユーコンXLにもどり車内で晩ごはん。持参したSOTOのマイクロレギュレーターストーブでお湯を沸かした。これはミシガンのアナーバー市内にあるREIというアウトドア用品のチェーン店で入手したもの。ガスボンベは飛行機に持ち込めないため、アラスカに来てからやはりREIで買った。
ユーコンXLの車内は広大である。サードシートと、セカンドシートの半分をたたみ、そこにシュラフを敷けば、十分な就寝スペースとなる。
食糧などの補給が手軽にでき、ゴミを捨てることができ、トイレを借りることができる。広い駐車スペースがあり、夜間も照明が点き、セキュリティの巡回もあって、いちおうの安全が期待できる。そうした諸点において、車中泊地としてのウォルマートはひじょうにありがたかった。
ぼくはその後、ミシガンへ戻ってから出かけた州内北部への小旅行でも、何度かウォルマートで車中泊した。問題はなかったものの、いずれの機会においてもほかに車中泊車がおらず、少し心細い思いをした。
その5へつづく。